「マスクの下は笑顔」
時々行く洋食屋さんは、もう50年近く家族で経営されている小さなお店です。ハンバーグやタンシチューなどは定評があり昔から不動の人気があります。白いテーブルクロスと、丁寧に植えられた季節の花や緑が私たちを迎えてくれます。
週末のランチタイムは開店と同時にほぼ満席になり、待ち行列ができるほどのお店でも、今年は新型コロナウィルスの影響で何日も客足がパッタリと途絶えて、営業を見合わせる期間がありました。やがて営業再開し、お客様がお店に来られるのを見て、店主は本当に嬉しくて、あらためてお客様のありがたさが身にしみたそうです。
お店の案内には「私たちはこれからもマスクの下はいつも笑顔で皆様をお迎えいたします」と、書かれていました。
今年はコロナでみんなが不便で、不安で、大変な年だっただけに、胸に迫るものがあります。お店の経営だって、一人ひとりのお客様だって、いろんな事情があったことでしょう。まもなく年末を迎えるにあたり、今年はこれまでにない苦しいことも多々思い返されるかもしれません。
折しも新型コロナ感染者数は、日を追うごとに最多を更新し、第3波が来ているという報道もあります。GO TO トラベルも見直され、今後もどんな不都合な状況になるのかわからない不安と混沌が続くことでしょう。
「マスクの下はいつも笑顔」こんな状況だからこそ、響くことばではないでしょうか。マスクの下の笑顔は見えなくても必ず伝わります。目元に、声のトーンに、まとう空気感になって、見えない笑顔は、見える形になって伝播するでしょう。そして、何よりも「マスクの下の笑顔」は、自らの心に効いてくることでしょう。