いまどきの新入社員
先日、私が主催する話し方講座に通ってくる女子大生のAさんが、「ようやく内定をもらった!」と、喜んで報告に来てくれました。今年は新型コロナウイルスの影響で就活はなかなか大変だったようです。昨年までの売り手市場と打って変わり、景気の先行きを案じて募集を取り下げる企業もあれば、面接の多くはリモートで行われるなど、前例にない就活事情が数多あり、全国的にも就活に苦労する学生は少なくないと聞きます。
そこで講座では、Aさんへの餞(はなむけ)に代えて「これまで出会ったちょっと変わった新入社員」というスピーチをしてもらうことにしました。その中で会場が湧いた2つのエピソードをご紹介します。
1、上司の誘いにビミョーな反応を示す入社2ヶ月の大卒男性社員
入社2ヶ月で出張を命じられた男性社員を心配し、上司が現場に駆けつけました。上司は新入社員をねぎらうつもりで「終わったらご飯でもいこうか」と声をかけたところ、新入社員は「それって、行った方がいいんですか?」と、聞いてきました。上司は返す言葉を失ったそうです。結局、その日は「ご飯」には行かなかったという話。
2、入社3ヶ月「退職代行サービス」で退職した新入社員
ある朝、入社して3ヶ月の新入社員が出社してきませんでした。なんの連絡もないので職場にいる人たちが心配していたところ、突然「退職代行サービスです」と名乗る人から電話がかかってきました。こういうケースは初めてだったため、担当者もかなり慌てたそうですが、退職手続きはすべて「代行」され、退職する日まで一度もご本人には会わないままやりとりが進んだそうです。
この話を聞いていた内定をもらった女子大生Aさんは、「私のバイト先でも同じことがありました」と言っていました。こういったこともある意味「ニューノーマル」かと、感じた次第です。