F&Aレポート

アップアップ読解力6「表現の工夫」印象のちがい

アップアップ読解力6「表現の工夫」印象のちがい

 最近は、インスタ・ツイッターなどSNS上での非難や、言葉の応酬による被害が問題になっています。事が起きた時には「そんなつもりではなかった」というのが、書き手(メッセージの送り手)側の言い分ですが、メールやSNS等での書き言葉、また、スピーチなどの口頭で伝える場合もそうですが、直接的すぎる言い方は反発や誤解をまねきかねません。たとえば、「彼女はセンスが悪くて、いつも変な服を着ている」といった表現でも、少し工夫することで印象がかなりソフトになることがあります。

 表現を工夫することは、語彙力の訓練にもなります。相手を気遣い、相手にどうとらえられるか、その言葉が社会的にどのような意味を持つのか意識しながら言葉を選ぶ習慣を身に付けたいものです。(参考:「『頭がいい』の正体は読解力」樋口裕一著)

1、 直接的な表現を婉曲(えんきょく)な表現に言い換えてみましょう(婉曲:穏やかで角の立たない言い回し)

(1)彼女はセンスが悪くて、いつも変な服を着ている
(2)彼は貧乏な家の生まれなので、しみったれた生活が身についている
(3)あなたは口が悪いので、女性に嫌われている

<解答例*印象の違いを感じてみてください!>

(1)彼女はセンスが悪くて、いつも変な服を着ている
彼女のセンスは独特で、いつも他の人が理解できないような服を着ている/彼女のセンスは他の人とかなり違っていて、私から見ると、奇抜と思えるような服をいつも着ている/彼女のセンスはユニークで、いつも個性的な服を着ている

(2)彼は貧乏な家の生まれなので、しみったれた生活が身についている
彼は経済的に余裕のある家の出身というわけではないので、あまり贅沢をしない生活が身についている/彼は子供のころに経済的に苦労したようで、無駄なことをしない生活が身についている/彼はあまり贅沢に育てられたわけではないようなので、節約することが習慣になっている

(3)あなたは口が悪いので、女子に嫌われている
素直にお話になりすぎるので、女子からは疎ましく思われているかもしれませんよ/歯に衣着せぬ物言いをなさるので、女子は不満に感じているんだと思います/もう少し加減してお話になれば、女子からもっと親しくされると思います/ストレートな表現が多いので、女子にはグサリと感じることが多いのではないでしょうか/

●重要ポイント 状況に応じた「さじ加減」を!

1「あまり◯◯でない」という表現はソフトにします
「嫌い」→「あまり好きではない」
「悪い」→「あまり良くない」

2「いつも◯◯だ」
「いつも◯◯だ」→「よく◯◯のようだ」
         「時々◯◯に感じる」
         「ほとんど◯◯と聞いている」

3「否定」+「否定」=「◯◯しないと、◯◯できない」と「肯定」+「肯定」
「料金を払わないと、使えません」=「料金を払えば、お使いいただけます」

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