線香の意味、仏壇の拝み方
年末年始に田舎へ帰ると、ご先祖様の仏壇に手を合わせるという方も多いと思います。そもそも仏壇が家庭に祀られるようになったのは江戸時代。寺院の仏様を家庭用にしたものが仏壇ですが、先祖の位牌を祀り故人と向き合い心静かに手を合わせます。
細かな作法にこだわるよりも思いを馳せることが重要ですが、一通りマナーを知っていれば、どこに行っても落ち着いて仏壇を拝めます。
知人宅を訪問して仏壇を拝む場合は「仏壇を拝ませていただいてもよろしいでしょうか」と、声をかけてから拝みましょう。
お供えや香典がある場合は、あとでトラブルにならないためにも「お供え(香典)はどちらに置かせていただければ、よろしいでしょうか」と、確認してからお供えした方がベターです。のしに名前などが書いてある場合は、お参りする人から見て名前が読める向きに置きます。
仏壇を見上げ一礼した後に、ろうそくに火をつけ、ろうそくの火をうつす形で線香に火をつけます。息を吹きかけて消すのは失礼な行為になります。(汚れを吹きかけるという行為になります)
線香の本数は、天台宗と真言宗なら3本、他の宗派なら1本ですが、厳密に決まっているわけではないので確認するのが良いでしょう。
念珠を持参した場合は左手にかけ、リンを1~2回鳴らし静かに手を合わせます。合掌を終えると、ろうそくの火を消しそのまま一礼します。このときも、手であおいで火を消します。最後に姿勢を向き直してお家の方にゆっくり一礼をします。
線香の香りは、仏様の慈悲をあまねく届けることを意味します。また、線香の香りは場を浄化し線香をあげた人も清め、細く長く天へ上ると言われています。この世とあの世を結ぶ窓口が仏壇なら、線香は心をつなぐ香りといえるのかもしれません。