F&Aレポート

「チップ」と「心づけ」のちがい

「チップ」と「心づけ」のちがい

 年末年始を海外で過ごす人達の出国ラッシュが27日から始まったそうです。この年末年始は最大9連休が可能になることから出足は好調で、関西国際空港では27日だけで1万8500人が出国予定。ピークの28日は2万3400人が海外へ飛び立つ予定だとか。いずれにしても今年の年末年始の国際線利用者は前年をはるかに上回り、新関西国際空港会社では前年よりも2万人多い46万3500人増(5%増)と予測しています。

 さて、そこで海外でサービスを受けるときに欠かせない「チップ」と旅館で中居さんになどに渡す「心づけ」の違いを考えてみましょう。

 まずは「チップ」ですが、日本の「心づけ」と大きく違うのは、「チップ」は報酬としてシステムに組み込まれているので渡すのが必須です。だからルールも存在します。

 時々日本人で、千代紙やぽち袋(お年玉を入れるような小さな袋)などに入れて渡す人がいますが、それは”プレゼント”と見なされてしまいます。チップは現金をそのまま渡すのがルールです。渡し方にも決まりがあります。ポーターなどに荷物を運んでもらう前に渡したり、小銭がないからとお釣りを要求したりするのはNG。また、いかにもチップを渡していますというような大袈裟な態度をするのは下品極まりない行為です。

 「心づけ」は、格式高い旅館に泊まるときなど、お世話をしてくれる中居さんに渡します。金額の決まりはないものの3,000円~5,000円が目安といわれています。チップと違って「気持ち」なので、金額が少なくても問題はありません。

ただ、これも大っぴらに渡すものではないので、高い位置で堂々と渡すと相手は受け取りにくくなってしまいます。あまり手を高く上げず、下の方でそっと渡すのが上品です。こちらは、現金をそのまま渡すよりも懐紙やぽち袋に入れるのがベターで自然です。

 郷に入れば郷に従い、楽しい旅をしたいものですね。