外国人観光客の紳士の精神にあっぱれ
街中の電車に外国人の中年カップルが座っていました。二人はTシャツに半パン、背中にはデイバック、手にはガイドブック。よく見かける感じの軽装の外国人観光客です。彼らはなにやら楽しげに会話をしていました。
そこへシニアの日本人女性が乗車してくるや否や、さも当たり前のように外国人男性がさっと席を立ち、日本人女性に席を譲るしぐさをしました。もちろん日本語での声かけはありませんが、彼らの気持ちは十分に伝わりました。
一瞬私は、外国人観光客はここではゲスト(お客様)なのだから座ったままでもいいのではないかと感じたのですが、次の瞬間にゲスト・ホストは関係なく、彼は「年配者に席を譲る」という習慣が身についた、本当の意味での紳士なのだと思いました。そして、世界中どこに行っても、彼のその「紳士の精神」はブレないのであろうと思いました。その光景を周囲の人たちも微笑ましく見つめていました。これぞ本物の紳士だ!あっぱれ!と思った次第です。
「弱い立場にある人に席を譲る」というのは誰でもできそうなことですが、じゃあ自分が慣れない土地に行って(まして外国で)さっと、ためらいもなく席を譲れるかと問われると自信がありません。「頭の中で理解しているだけのマナー」なのか、「身についた(習慣になった)マナー」なのかの違いを試されているような気もします。
スポーツの世界では、「ひとつの動きが身につくには、20,000回の練習を必要とする」と言われています。マナーも同じかもしれません。さあ、今日から20,000回の練習をしましょうか……。