F&Aレポート

ゴミの捨て方に品性が表れる

ゴミの捨て方に品性が表れる

 今やどこに行っても、ゴミの分別は珍しいことではなくなっています。環境への配慮のため、「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」「ペットボトル」「大型ゴミ」その他、地域によって細かい規定が設定されているところもあります。

 オフィスビルにも分別のゴミ箱が並んでいます。こうしたゴミの捨て方は、実際少し面倒なこともありますが、きちんとゴミを捨てる人は、いろんな意味で意識が高いとえます。

 公共の場に対する美意識、後から作業をする人(清掃係の人など)への思いやりが高いだけでなく、ゴミの捨て方そのもののしぐさは、マナーの良し悪しや、品性が問われることもあるのです。たとえば、洗面所で手を洗ったあとに、ペーパーを無造作に何枚も取り出し、投げ入れるようにゴミ箱に放る人。ゴミを分別せずひとまとめにして無理やりゴミ箱に押し込む人。どれもついうっかりやってしまいがちなことかもしれませんが、気を抜いたところに本質が表れるといってもいいでしょう。

 大げさなことでなく、今やゴミ問題は喫緊の地球規模課題です。海洋汚染の原因になっているマイクロプラスチックと言われる微小なプラスチックは、私たちの便利な暮らし、使い捨て文化がもたらした大いなる残骸ですが、未だこれといった解決策もないまま世界の海に漂い続け生態系への影響が懸念されています。

 ゴミを丁寧に捨てることができる人は、社会的な視点を持ち、常識を兼ね備えた大人といえます。難しいことではないのです。空になったお弁当のケースを、小さくまとめて捨てる。紙パックの飲み物は、中身を捨てきってから折りたたんで捨てる。手を洗ったあとは、必要枚数だけペーパーを使い、小さく畳んで捨てるなど。ちょっと一手間かけられる人は、品格と余裕が感じられます。