F&Aレポート

Z世代へのエール「仕事ノート」をつくろう

 新しいリクルートスーツに、新しいネクタイを締めた若い人たちを街で見かけると、「おっ、新社会人かな?」と、思ってしまいます。

 実際には新しいかどうかわかりませんが、なんとなくスーツが体にフィットしていない感じや、ネクタイの結び目がしっくりきていない様子と、顔立ちにまだ学生っぽさが漂っている雰囲気に、新社会人を思わせるわけです。

 今年も多くの会社や組織で新入社員研修が行われましたが、そこで、仕事を早く覚え、早く慣れるために伝えたことがひとつあります。それは「仕事ノート」を作ることです。

 スマホやタブレットを使いこなすZ世代には、縄文時代のやり方のように感じるかもしれませんが、ここはあえて「ノート」活用をお勧めします。

 毎日1ページ。その日、出会った人の名前や肩書き、特徴。教わったことの数々。仕事の流れや、細々とした作業。指示を受けたことや、疑問に思ったこと。慣れないビジネス用語。失敗や気づき、反省点など、なんでも書き込みます。

 自由にノートに書き、常に持ち歩きます。隙間時間、たとえば通勤の電車を待つ時間や、手すきの時間にちょっと見直すことを繰り返すことが、脳の「長期記憶ゾーン」に保存される秘訣です。これを最低でも3ヶ月間続けて習慣にします。

 これらは当然、IT機器でもできるのですが、文字を書くという作業は、社会人になったら意外に多くあります。また、ノートなら充電や容量を気にせず、どこでも使うことができます。客先での待ち時間に開いて確認していても、不審に思われることはないでしょう。会議中に開いてもほぼ問題なし。スマホやタブレットは、取り出さない方がいいシーンも多々あります。たとえば、商談中にスマホを取り出すのは誰かと通信(やりとり)しているのかと不審に思われても仕方ありません。

 3ヶ月続ける「仕事ノート」は、実は私自身が新入社員時代に半ば強制的に実行させられたものですが、とても役立ち、効果があったと今でも思えるやり方です。仕事を早く覚えれば、それだけ仕事が面白くなります。2024年の新入社員にエールを送ります。