F&Aレポート

駅と電車内の迷惑行為と、カバン事情

駅と電車内の迷惑行為と、カバン事情

 前回ご紹介した、平成の電車マナー「駅と電車内のマナーに関するアンケート」(日本民営鉄道協会)のランキング1位の迷惑行為は、「荷物の持ち方、置き方」でした。(2位は「騒々しい会話、はしゃぎまわり」。3位は「座席の座り方」)

 解説をみると「荷物の持ち方、置き方」の多くは、カバンの扱いです。それも、リュックサックやキャリーバッグです。

 背中や肩にあるバッグが通路を塞いでいたり、足元で邪魔になったり、キャリーバッグの運び方が雑で、周囲の人にぶつかったり、転びそうになったりといったことのようです。聞いてみるとなるほど…無意識のうちに自分が加害者になっていることもありそうです。

 リュックサックは男女共、最近流行りのスタイルです。スーツにリュックサックというパターンも珍しくなくなりました。ちなみにリュックサックは、書類が折れない四角いタイプのものが人気です。革製で高級感のある「大人ランドセル」といった商品も注目されているとか。

 その背景には、春から秋にかけてのクールビズの定着でカジュアル志向が強くなったこと。SNSの発達で、スマホ、タブレットなどを持ち歩くことが増えたため、両手が空くのはとても便利で機能的というわけです。さらに、天気予報がより細かくなり、傘やペットボトルを持ち歩くことが当たり前のようになったことも起因しています。(リュックサックには収納できるポケットあり)

 一方で、日常的にキャリーバッグを持ち歩く人も増えました。キャリーバッグといえば、昔は、旅行や出張に行く人が持つものというイメージでしたが、今は日常でも使用されています。

 色や大きさ、デザインも豊富で値段もリーズナブル。若い女性に人気ブランドの限定モデルなどもあります。着替えやアメニティ、本、資料、パソコンなどを入れてコロコロと持ち運びます。

 キャスター付きのバッグは、1972年、ジュラルミン製のスーツケースに日本がキャスターを付けて販売したことで広まったと言われています。まさに、バッグの進化を感じる代物ですが、歴史的にはまだ浅く、扱い方のマナーが定着するのはこれからのことなのかもしれません。