F&Aレポート

日本語トレーニング(10)平成29年度「国語に関する世論調査」どちらの意味だと思うか~「檄を飛ばす」「やおら」「なし崩し」

日本語トレーニング(10)平成29年度「国語に関する世論調査」どちらの意味だと思うか~「檄を飛ばす」「やおら」「なし崩し」

●次の3つの慣用句等について、どちらの意味だと思うか尋ねたところ、「檄(げき)を飛ばす」「なし崩し」は、本来の意味とは違うとされる方が多く選択されるという結果となっている。(文化庁調査)

(1)「檄(げき)を飛ばす」

(ア)自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求める 22.1%
(イ)元気のない者に刺激を与えて活気づけること      77.4%
(ウ)(ア)と(イ)の両方                 2.6%
(エ)(ア)(イ)とは、全く別の意味 3.2%
(オ)わからない                      4.8%

解説

年齢別にみると、本来の意味とされる「自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること」は、すべての世代で「元気のない者に刺激を与えて活気づけること」を下回っている。16?19歳と70歳以上で他の年代より高く2割代後半となっている。

「元気のない者に刺激与えて活気付けること」は、20代?30代と50?60代で他の年代よりも高く7割代前半となっている。

(2)「やおら」 例)彼はやおら立ち上がった

(ア)急に、いきなり                30.9%
(イ)ゆっくりと                  39.8%
(ウ)(ア)と(イ)の両方              1.8%
(エ)(ア)(イ)とは、全く別の意味         4.1%
(オ)わからない                  23.5%
<解説>年齢別に見ると、本来の意味とされる「ゆっくりと」は、60代以上で他の年代より高く4割台となっている。「急に」「いきなり」は、年代が上がるに従って低くなる傾向が見られる。

(3)「なし崩し」 例)借金をなし崩しにする
(ア)なかったことにすること           65.6%
(イ)少しずつ返していくこと 19.5%
(ウ)(ア)と(イ)の両方             1.3%
(エ)(ア)(イ)とは、全く別の意味         5.0%
(オ)わからない                  8.5%

<解説>年齢別に見ると、本来の意味とされる「少しずつ返していくこと」は、ずべての年代で「なかったことにすること」を下回っている。

【国語について、どの程度関心があるか】

日常の言葉遣いや話し方、文章の書き方など、国語についてどの程度関心があるかを尋ねたところ、「非常に関心がある」(17.0%)「ある程度関心がある」(59.2%)を合わせた「関心がある」は合計76.3%となっている。一方、「全く関心がない」(3.9%)「あまり関心がない」(19.2%)を合わせた「関心がない」は合計23.1%となっている。過去の調査結果(平成4,12年)と比較すると、「関心がある」は3ポイント上昇し、「関心がない」は3ポイント減少している。