F&Aレポート

元気を出すためにやってはいけないこと~やけ酒と昔の恋人のSNSのチェック

元気を出すためにやってはいけないこと~やけ酒と昔の恋人のSNSのチェック

 面白い本を見つけました。「科学的に元気になる方法を集めました」(文響社)です。
人間にとって、どんなことがストレスの原因で、どうすればストレスの被害をおさえることができるのか、毎日元気で過ごすには?それらのノウハウについて、科学的に「効果あり」と認められた方法ですぐに実践できるものばかりを集めた本です。ストレスを減らしてパフォーマンスを最大限に上げるヒントの中からNG行動を2つご紹介します。

1、やけ酒をしてはいけない!
やけ酒をすると、イヤな記憶、イヤな気持ちがより強く定着してしまう 東京大学大学院野村と松木の研究

 仕事でつらいことがあったりすると、つい、同期や友人に声をかけてやけ酒に付き合わせたりしてしまう人もいますが、これに関してカリフォルニア大学のショーファット・オフィアらの研究によると、メスにふられたオスのハエは、アルコールの入った餌を好んで食べたそうです。つまり、ハエでさえもやけ酒をするということです。

 しかしこのやけ酒、実に良くないことがわかりました。単にやけ酒に付き合わされる人からの評判が悪くなる、といった話ではなく、明確に自分の元気を損なう結果につながってしまうからなのです。実は、やけ酒はストレス解消になるどころか、かえってイヤな記憶を強めてしまうことがわかったのです。

 東京大学大学院薬学系研究科の野村・松木の研究ですが、鼠に電気ショックを与え、アルコールを注射し、そのあとどのようにふるまうかを調べた実験があります。アルコールを注射された鼠は電気ショックのことを忘れるどころか、かえって電気ショックによる恐怖を強め、臆病になってしまったのです。

 一般的に、お酒を飲み過ぎて記憶を失うことがあるのはよく知られていますが、忘れるどころか強化されてしまうわけです。アルコールを常習すると、イヤな記憶を消す能力が下がるという、アメリカ国立衛生研究所のホームズらによる研究結果もあります。仮に毎日のようにやけ酒を飲んでいると、イヤなことの記憶がどんどん鮮明に脳裏に刻みこまれていき、どんどん消えにくくなってしまうのです。

2、過去を引きずってはいけない!
昔の恋人のSNSをチェックする人は、人間として成長できない オハイオ州立大学フォックスとハワイ大学トクナガの研究

 この研究では、過去1年以内に失恋を経験し、自分も元恋人もFacebookに登録している大学生431人を対象に失恋の痛手や元恋人の情報を見る頻度などを質問する調査を行いました。その結果、Facebookで元恋人のページを見て、近況や交友関係を調べている人ほど、元恋人への恨みや未練が捨てられず、新しい趣味を持つなどの人間的な成長が見られないことがわかったというのです。つまり、失恋で元気がない期間が続けば続くだけ、恋愛以外の生活においても新しいステップに一歩踏み出すことができなくなってしまうというわけです。特にふられた場合ほど、その傾向は顕著でした。「縁がなかったと、さっさと切り替える」こと、「次」を見ることが重要なようです。

 海外ではそういう行動を「フェイスブック・ストーキング」などと呼ぶそうです。恋愛に限らず、執着すればするほど、そのことが頭からはなれられなくなってしまいますから、別の行動を起こすことで意識をそらすようにしてみましょう。別れは人生に新たな風を呼び込むチャンスだと思って行動してみることです。恋愛によるときめきは、脳にとても良い刺激を与え頑張る力をもらえます。良い恋愛で良い作用を起こしましょう!

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