F&Aレポート

「箸」と「楊枝」のマナー

「箸」と「楊枝」のマナー

 誰と食事をしても臆することなく、周囲の人に不快感を抱かせることなく、楽しい食事ができる人は、品性と育ちの良さを感じます。

 さて、その会食といえば、まずは「箸づかい」が気になるところですが、「箸先五分、長くて一寸」ということばがあります。一寸はおよそ3.03センチ、五分は1.5センチぐらいです。箸先の汚れは少ないほど良いのです。これは単純に箸の使い方だけでなく、箸の持ち方が正しくないと難しいことです。

 箸先を汚さないように食べると、必然的に一口分以上の分量を口に運ぶことはなくなります。また、正しい箸の持ち方をしていると、細かいものを取る、裂く、ちぎるなどの動作も容易になります。まちがっても、たくさん食べ物を詰め込んでしまうとか、食べ物にかぶりついて、歯形のついたものを皿に戻すなどの、相手に不快感を与えるような食べ方にはなりません。

 今さらですが、正しい箸の持ち方は次の通りです。まずは、箸先から三分の二のところを持ち、上の箸は、人差し指と中指ではさみ親指で支えます。下の箸は、親指と人差し指の付け根にはさみ、薬指で支えて固定します。

 ある有名な料亭では昔、客が帰ると客が使用した箸を火鉢の灰の中に入れて、箸先にどれほどの灰がつくのかを計り、その客の嗜みについて語り合ったといいます。なんて失礼な!と思われるかもしれませんが、箸先の汚れがその人の嗜みを語るというお話です。

 さらに、楊枝の使い方ですが、脇を向いて手をかざし、使い終わった楊枝は持ち帰るのが本来のマナーですが、持ち帰るまでしなくとも、使用済みの汚れた楊枝の先が同席者の視界に入らないように配慮したいものです。楊枝の使用は、女性よりも圧倒的に男性が多いように見えます。日頃の習慣がつい出るのが食事のマナーです。日頃から意識して感謝の気持ちを持ち、一緒に食事をしたいと思われる人でありたいですね。