F&Aレポート

「感情表現」が豊かになると、スピーチ・プレゼンは格段に面白くなる ~語彙を増やす、感情表現辞典に学ぶ

「感情表現」が豊かになると、スピーチ・プレゼンは格段に面白くなる ~語彙を増やす、感情表現辞典に学ぶ

スピーチやプレゼンをしても、感情の表現がまったく出てこない人がいます。事実だけを淡々と述べているのですが、ただの報告会ならそれでもいいでしょう。聞き手の「感情」を動かしたい場合は、事実の列挙だけでは不十分である。では、やたらに「嬉しい」「悲しい」などを並べればいいのかというとそうではありません。「感情表現辞典」(中村明編)によると、喜怒哀楽だけでなく、恥 好 厭 安 驚 怖 などの語句の表記とともに、近現代の作家の作品から抽出された表現方法が示されている。自分の気持ちにピタリと合う表現もあれば、こんな表現があるんだ!という新鮮な発見もあるかもしれません。(感情表現辞典 東京堂出版 中村明編

1.「喜」
<語句編>
目(芽)出度い(め(め)でたい)、大慶、同慶(の至り)(たいけい、どうけい(のいたり))、慶福、慶祝、慶賀、恭賀、祝賀、賀意、祝意、祝着(けいふく、けいしゅく、けいが、きょうが、しゅくが、がい、しゅくい、しゅうちゃく)、
大喜び、糠喜び、空喜び、喜ばしさ、喜色、歓喜、歓天喜地(おおよろこび、ぬかよろこび、そらよろこび、よろこばしさ、きしょく、かんき、かんてんきち)、ほくほく、深謝、心行く、ほか

<表現編>
この上ない喜び 得難い喜び 美しい喜び 新鮮な喜び 熱心な喜び 有頂天な喜び
強烈な本能の喜び 大きな喜び 驚きに近いほどの喜び 恐怖がそのまま輝くような喜び 慄えるような喜び ひくひくするような喜び まぶしいような深い喜び 魚が水に遇ったような喜び 野獣が山に放たれたような喜び 喜びが大きい 喜びがある 喜びが生まれる 喜びが兆す 喜びが湧く 喜びがこみあげる 喜びが溢れる 喜びが流れ出す
喜びがしみこむ 喜びが通う 喜びが輝く 喜びを味わう 喜びを抱く 喜びをもてあます 喜びを得る 喜びをそそる 喜びを微笑む 喜びが貫く…

2.「怒」
<語句編>
怒り、怒る、怒り付ける、(いかり、おこる、いかりつける、)狂い怒る、立腹、腹立ち、腹立ち紛れ(くるいおこる、りっぷく、はらだち、はらだちまぎれ)、打ち腹立つ、小腹が立つ(うちはらたつ、こばらがたつ)
向っ腹が立つ、剥れる(むかっぱらがたつ、むくれる)、つむじを曲げる、ヘソを曲げる(つむじをまげる、へそをまげる)、意固地になる、怒気、激怒、憤怒(いこじになる、どき、げきど、ふんど)、ほか

<表現編>
火のような激しい怒り いらだちが怒りの念に変わる 怒りの火を消す 怒りの発作にとらえられる こんこんと怒りがわき起こる 怒りが徐々にわき出す 怒りが噴き上げる
怒りが込み上げる 怒りが身体の中でたぎる 怒りが燃え出す 怒りがギラギラ光る
凄まじい怒りが眉のあたりに這う 怒りが激しい波のような全身に広がる 怒りが野分けのように襲ってくる 怒りが腹の底をぐらぐらさせる 怒りで度を失う 怒りで胸がいっぱいになる 怒りで目をギラギラ光らせる 掻きむしりたいほど怒りに燃える
胸に怒りがさわぐ 怒りに襲われて暴れ回る 怒りに駆られる 胸が痛くなるほどの怒りを覚える 怒りの持って行き場がない 心が怒る 怒ることによって悲しみに打ち克つ
立腹する 立腹を禁じ得ない 泣きながら怒り出す 無性に腹が立つ むやみに腹がたつ むらむらと腹が立つ ぷりぷり腹を立てる 憤怒 憤激する 憤然と叫ぶ かっとする 気が立つ 色をなす 殺気立つ 荒々しいものが疾風のように心を満たす かっかする
ぷりぷりする ぷんぷんする きっとする 気がたつ 臓腑が煮え返るようになる 煮えくり返るような思い 憤りを催すような気持ちになる かっとなってきっと睨む すこぶる不愉快 この上もなく不愉快 不愉快千万 薄暗い不愉快の影が頭に残る 本能的な不愉快さを味わう 迷宮に迷い込みつつあるような不愉快感 憤然とする 余憤を吐き捨てる むっとして気色ばむ むっとした顔つきで鼻をふくらます 面白くないこと甚だしい 神経が張り裂けそう 胸が悪くなる むかむかと むちゃくちゃになる 腹に据えかねる 気を腐らせてぶつぶつ言う 些か気を悪くする 気色を害する 癇に障る 不機嫌な荒々しい調子 憮然とする 心が灼けるよう 声を荒立てる ほか