表情とは「情の表れ」。あなたの息づかいが声になる
声にも表情があります。たとえば、音声だけでコミュニケーションをはかる電話でも、電話の向こうで相手がどんな表情をしているか、「声の感じ」で読み取ることができます。
私たちは、笑っていれば笑っているような声になり、怒っていれば怒っているような声になります。怒った顔をして笑った声を出すというのは、物理的に不可能です。このように声には自然に表情が伴うものなのです。
朝の挨拶、御礼の言葉、別れ際の挨拶。すべて声とともに表情があります。コンピュータの声が無機質なのは、この表情が感じられないからです。表情とは、「情の表れ」です。思いや心がそのまま形として表れたものが「表情」です。だから、表情のない声は「心」が感じられません。
表情のある声には「心」が感じられます。表情のある声は、棒読み口調にはなりません。声のボリュームや、高低、息づかいなど、「思い」がそのまま声の表情になります。
強い声、弱い声、太い声、細い声。普段、私たちは無意識のうちに声を発していますが、「息づかい」を意識してみると、声の表情が強くなったり、優しくなったりするのがわかります。たとえば、両手にハーッと息を吹きかけてみましょう。温かいですね?この要領で声を出してみましょう。息がたっぷり乗った声になります。温かい息が乗った声は温かい声になります。優しく語りかけたいときには、この温かい声だと、一層柔らかく聞こえます。口調の強い人、語尾がキツくなりがちな人は、この声の「息」を意識されると改善されます。「正しく」伝えるだけでなく、「親切」「安心」「丁寧」などのコミュニケーションを求める人は、声の表情や息づかいをチェックしてみましょう。声の表情が豊かになるとコミュニケーション力は格段にアップします。