F&Aレポート

「サービス」と「おもてなし」のちがい

「サービス」と「おもてなし」のちがい

 前回のレポートで、2020東京オリンピック招致におけるチームジャパンのプレゼンの素晴らしさを紹介し、「おもてなし」が日本人の文化や心根を象徴する言葉として、世界の共通語になるかもしれないというお話をしました。
 世界には「おもてなし」とよく似た、「サービス」という言葉があります。どちらも相手のために尽くす・奉仕するという意味ですが、この二つの言葉は同じものでしょうか?
「サービス」と「おもてなし」のちがいを考えてみましょう。

■「サービス」とは:
英語の「service(サービス)」に由来、「奉仕する」「仕える」という意味があります。また、ラテン語の「serve(サーブ)」は奴隷を意味します。サービスは提供する側とされる側に主従関係が生じます。お客様が上、スタッフが下というような上下関係です。そこには、サービス料、チップなどが存在します。

■「おもてなし」とは:
ラテン語の「hospise(ホスピス)」が語源です。これは病院(ホスピス)と語源が一緒です。かつて、交通機関や宿がない時代、巡礼する異邦人を歓待したことからその意味の端を発しています。すなわち見返りを求めないこと。親が子どもに接するような心(無償の愛)で対応することを表しています。

 「サービス」と「おもてなし」は、似ていてもその底辺にある考え方はまったく異なります。ホスピタリティは対価を求めるのではなく、喜んでいただくことを求めるということです。喜んでいただいた結果として報酬が生まれるという考え方ですね。

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