F&Aレポート

「七」のしきたり

「七」のしきたり

 7月になりました。6月30日、神社で行われる「夏越しの大祓」(なごしのおおはらえ)は、半年の間に、知らず知らずに犯した罪や心身の穢れを祓い清めるものです。
今年も半分が過ぎてしまいました。これから始まる夏本番に向けて、心身ともに元気で暑さを乗り越えて行きたいものですね。7月の「七」にちなみ、「七」のいわれを特集します。
(参考図書「日本人 数のしきたり」朝倉晴武著

1.「七」は聖なる数
 洋の東西を問わず、「七」は聖なる数として考えられてきました。西洋では旧約聖書の創世記に神が六日間で天地創造し、七日目を安息日として聖なる日と定めました。東洋でも古代中国の時代から農作業の時期を計るための天文学が発達し、北極星と北斗七星を季節の指標としていました。そこから北極星と北斗七星に対する信仰が生まれました。
 また、月の運行は七日ごとに様相を変えていきます。細い三日月が七日たつと半月形の上弦の月となり、また七日たつと満月になります。さらに七日たつと下弦の月となり、それから七日で真っ暗な新月となります。古代の人々はこの月の変化を時ととらえる尺度とし暦の基準としました。
 そこから「七」は特別な数字として考えられるようになり、生後七日目にお七夜の誕生祝いをしたり、法要も初七日、四十九日など七を単位として行われるようになりました。

2.「七」にまつわる成語、ことわざ
「親の光は七光り」親の社会的地位や名声によって、子どもが恩恵を受けること。
「無くて七癖」どんな人でも、多少の癖は持っているということ。
「七転び八起き」七度転んでも八度起き上がればいい。失敗してもくじけず挑戦し続けること。
「男は敷居をまたげば七人の敵あり」男が社会に出て仕事をするときには、必ず多くの競争相手や敵がいるということ。
「七度尋ねて人を疑え」むやみに人を疑ってはいけないことのたとえ。