F&Aレポート

食べたあとの食器に人柄が表れる?

 もう何年も前のことですが、息子が学生時代に初めてアルバイトを経験しました。それは、ホテルの宴会の片付けでした。アルバイトに慣れてきた頃、どんな様子なのか、本人に尋ねてみました。すると、こんな答えが返ってきました。

「初めは、人が食べたあとの食器を見るだけで吐き気がしたけど、今はまったく気にならなくなったよ(笑)」。

 それを聞いて私は、恥ずかしながら、それまで外食をしたときに、食器を片付ける人のことまで、思いがいたらなかったことに気づいたのです。

 ホテルの宴会場だけでなく、ラーメンでもうどんでも、ゴルフ場のレストランでも、セルフサービスでない限り、食器を下げて片付けてくれる人がいます。

 また、あるレストランで研修をしたときのことも思い出しました、

「食事を提供したあとの食器が、きれいになって返ってくれると嬉しい」。

 これは、美味しくて残さず食べてもらえるようなものを提供したいというシェフの言葉だったのですが、やはり「食べたあとのお皿」というのは見られているものなのです。

 それから私は、「自分が食べたあとの食器を第三者がどう見るか」ということを、気遣うようになりました。

 必要以上に気を使う必要はないと思いますが、あまりにも気を使わないでいるのも、いけない気がしています。

 「客」という立場になったとき、サービスを受ける側とはいえ、そこに関わる人やものに感謝していただくのは、「客」としての最低限のマナーであろうと思うのです。

 今でも必ず実行していることがあります。それは、使ったあとの箸の先を隠すことです。箸袋やナプキンを折って箸先を収めるようにしています。さやかですが、あのときの息子の言葉を思い出しながら、自分への戒めを込めて。