はじめに
8月23日から二十四節気の処暑に入りました。処暑とは「暑さが収まる」という意味です。朝晩は少し涼しくなりましたが、まだまだ夏の暑さです。街中でポロシャツを着た若い人をよく見かけます。調べてみると、高校の夏の制服がポロシャツでも良いようになったそうです。それを見て、私の高校時代を思い出しました。部活動の夏合宿があり、黄色のTシャツを着ていったところ、顧問の先生から「それはちょっと派手だね(だから着るのを控えるように)」と言われたのです。私としては、普通に買った服だったので、ちょっとショックで、だから今でも覚えてるんでしょう。その時の反動か、今では普通にピンクや黄色のシャツを着ているというわけもありませんが。
今週の愛媛
今年年末から年始に書けて、JR予讃線の松山〜宇和島間の保守工事を日中行うそうです。ほとんど乗る機会がないJRですが、10年近く前に乗ったときに、線路の周りがうっそうとしていたことを思い出しました。夜の工事だと手配や安全への配慮も大変でしょうし、昼間は空気を運んでいる状態ですから、昼間に列車が走らなくても、廃線にならず路線を残すことができる方が良いと思います。
今週考えたこと 国債、社債という債券について
最近定期預金の広告をよく見かけるようになりました。そこで気になるのが、国債という存在です。伊予銀行の1年定期の金利は0.5%(2026年8月時点)、8月募集の個人国債は変動10年で1.87%、固定5年2.06%、固定3年で1.71%となります。ゼロ金利時代では想像できなかったほど、国債という商品が気になる存在になってきました。
その国債については、税金を優遇しようという話もありますし、国債にお金が流れると、預金が流出するので銀行の体質が弱るのではないかという話しもあります。また、国債を買うのと税金を払うのはどう違うんだろう?ということもあります。国債も税金も国にとっては歳入です。国債は金利が付いて元金が返ってきますが、税金は紐付きではないものの、公共サービスとして返ってきます。前置きが長くなりましたが、この国債、社債という債券について考えたいと思います。
1.社債と国債
社債も国債(地方自治体債)も債券、つまり一定期間お金を借りる代わりに利子を払うという有価証券です。株式も有価証券の一つですが、価格そのものが変動します。債券は元本価格は変動しませんが、金利が変動すると、価値が増減するというリスクがあります。また、発行主体が破綻すると、デフォルト=債務不履行となる可能性もないとは言えません(ここは株式も同じです)。
2.AIと社債
ここでもAIかい!です。米国では、AIのためのデータセンター建設の規模が大きくなっています。AIが普及し、この作業をこなしていくのがデータセンターといわれる一つの「工場」のようなものです。しかし、AIを利用した情報の解析処理を行うだけで、モノを製造するわけではないので、法律上も工場としてよいのか?という議論はあります。
データセンターを建設するためには、大量の半導体が必要になります。そのため、半導体が品不足になり、スマートフォンやパソコンの値段が上がっていますし、株式市場では半導体メーカーの株価が上がったわけです。Apple社が半導体が足りないから中国製を買っても良いかと米国政府に打診したのもそのような背景があります。
またまた前置きが長くなりましたが、AIに関わる企業は上場企業が多いので、新株発行をしても良いじゃないか?と思われるかもしれません。確かに、Amazonのような会社の株式は魅力的ですが、大量の新株発行を行うと株の価値が薄まる、つまり株価が安くなってしまう可能性があるわけです。そこで社債を発行して資金調達をしようという動きがあります。その金額もひじょうに大きいので、債券市場が必要とする資金が膨らんでしまいます。資金を呼び込むためには金利を上げる必要があります。社債の金利が上がれば国債の金利も上がる、ここもまた世界の債券市場の波乱要因の一つになっています。
3.為替介入と債券市場
為替介入と債券市場日本の円ドル相場に対する為替介入について、米国が強く関わりました。なぜ米国が関わったのかといえば、円安が日本の金利上昇につながることが米国にとってもマイナスだからです。ここで理解しておきたいのは、それだけ米国が必死だということです。
4.米国のバイバック政策の意味
8月20日、米国財務省は、残存期間が10年以上の国債のバイバッグの上限を従来の2倍(20億ドル→40億ドル)にすると発表しました。これにより、米国債の金利が急低下しました。バイバッグとは買い入れ消却、もっと簡単に言えば買い戻しですね。市場にある国債を買い戻して取引される量を減らします。生保や銀行などの金融機関は集めた資金をいろいろなところで運用します。債券でも定期的に購入し運用しますから、流れてくる国債が少ないと、金利が低くても買ってしまえと言うことになります。その結果、金利が下がるという効果が出るわけです。国のキャッシュフローが想定以上の改善し、お金が余ってきたから国債を買い戻すというなら意味があります。しかし、今の政府は米国でも日本でも資金が足りない状態です。つまり、一時的に買い戻すことはできても、継続することは困難です。
このようなオペレーションを行ったベッセント財務長官について、日経電子版に、日本工業大学大学院技術経営研究科教授の田中道昭氏が下記のようにコメントしていました。「皮肉なのは、かつてソロスのファンドで運用を担い『市場に逆らう政府介入は失敗する』という真理を誰より知っているはずの人物が、今度は政府側として市場に介入していることだ。ソロスがイングランド銀行を破ったあの教訓を、自らが体現する立場になった。」
5.米国の債務状況
では、なぜ米国は必死になって金利を抑えようとしているのか。あまりメディアでは報道されていなかったところですが、米国の公的債務の問題があります。藤原塾では時々話題になる米連邦政府の債務が今どの程度あるかご存じですか?8月18日時点で40兆ドルに達しました。日本円で約6,320兆円です。日本の国債残高は1,145兆円といわれていますから、約5.5倍です。ここはGDPなどの国の大きさもあるので、米国の方が多いのは仕方ないとして、米国の公的債務の問題は、この10年間で2倍に増えたということです。その要因は、高齢化による社会保障費の増加、巨額の減税、軍事費の増大によるものですが、さらに債務残高が膨らむことで1年間の利払い費も1兆ドルになるといわれています。
日本でも、消費税減税で年間5兆円が必要といわれていますが、規模が違います。それなら消費税減税なってやっちゃっても良いんじゃない、と思ってしまうくらいです。あ、これは冗談です。5兆円であっても、慎重に行うべきことに変わりはありません。
6.国債を買うべきか?
そのような状況を踏まえると、米国が抱える大きな渦の中に日本も舞い込まれつつあることが分かります。そこで国債を買うかどうかなのです。国債の金利は、魅力的には見えます。しかし、債券市場は非常に難しいものであり、それに関連する問題も深く難しいと言えます。私もこの原稿を書くための資料を整理しながら、明確な根拠があるわけではありませんが、直感的に怖いと思ってしまいました。
私は税理士であり、債券マーケットそのものに関わったことはありません。ただし、財政側から市場を見ることはありますし、企業側から債券市場を見ることもあるので、気になる点を触れてみました。正確な表現でない部分があるとすれば、ご指摘をいただければ幸いです。
今週のAI
AIを普通に使うようになってきて、その量が多くなるほどコストもかかります。ちょっとした会社でも、みんなで使い始めたら1日で100万円を超えてたという話もPodcastで聞きました。性能に釣られて使い過ぎるのは注意しましょう、軽く言ってしまうとそのようなことです。今日は、債券の話が長く難しかったので、AIの話はこのあたりで。
おわりに
ここのところ体重が増加傾向にあります。私が考えてるベスト体重よりも2~3㎏増量となり、ズボンが少し窮屈になってきました。そのストレスから、ご近所の補正屋さんでウェストを2㎝出してもらいました。税込1,220円也。夏バテもイヤだけど、少しは痩せたいです。
この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。

