ボストーク松山藤原塾

今年も柏餅食べましたか?

季節の話題

今日はGWまっただ中、こどもの日です。子どもの日と言えば柏餅ですが、GWと言えば、混雑する観光地やショッピングモール、空港、駅、道路が定番です。松山市内の様子は、道後は別として、他のエリアは人も少なく静かです。この原稿を書いている私の事務所近辺もいつもの日曜日より人出は少ない感じがします。後半は比較的良い天気になりそうですが、連休明けになると梅雨が待っています。今年はどんな夏になるのでしょうか。

今週の愛媛

世の中にはいろんな意見があります。それぞれの立場や環境があり、思いがあり、経験があり、それに基づいて様々な意見が出るのは良いことです。多くの人の関心があるということですから。最終的には、たくさんの意見を整理し、集約し、一つの方向にまとめていくことが必要です。公共財産に関しては、それが行政の使命の一つであり、行政の長の責任です。しかし、すべての人が満足できる答えはありません。だからとても難しいというのは理解できます。

4月30日、愛媛オレンジバイキングスの親会社サイボウズの青野慶久社長は、JR松山駅西側の車両基地を使用したアリーナ建設を断念すると発表しました。この発表については、驚きというよりも、やっぱりという意見の方が多い印象です。これでまた計画は振り出しに戻ったわけですが、愛媛新聞によると、JR松山駅の区画整理については、2008年から検討が開始され、2015年には市民会館の代替を想定したホール整備の基本構想が策定されていたそうです。そのころに報道されていたと思うのですが、まさか10年経ってもこんな状態だとは思っていませんから、すっかり忘れていました。

つまり、松山市は検討を進めていなかったのではなく、当初の構想を具体化することをしていなかったということです。その背景には、様々な意見に翻弄され、前に進めなかったのかもしれません。行政の皆さんが大変な思いでこのプロジェクトに取り組んでいることは理解しますが、多くの松山市民はとても歯がゆい思いをしています。資材不足、人手不足や建築価格の高騰が続いていますから、いっそ事業を棚上げするのも一案です。

今週考えたこと

まずは私ごとから。イラン戦争により石油化学産業が久しぶりに注目を浴びています。このことに関連して思い出したことがあります。私は大学4年の春、就職希望でした。その希望先として考えていたのが、日本ゼオンと旭硝子(今のAGC)です。理由は、物を作る産業はなくならないだろうという発想です。実際両社ともいまだに健全な企業です。ちなみに、日本ゼオンはHPによると下記のような事業内容が紹介されています。「1950年、古河電気工業株式会社、横浜ゴム株式会社、日本軽金属株式会社の3社の資本により設立され、米国・B.F.グッドリッチ・ケミカル社より技術提携を受けた塩化ビニル樹脂の製造を開始したのが始まりです。その後、現在の事業である合成ゴムや樹脂の原料となるブタジエン、イソプレンなどを抽出する独自技術を開発し、今日も様々な石油化学製品の製造・販売を行っています。」自動車タイヤや電子材料などの高付加価値素材では世界的に高いシェアを持っているそうです。

その後私は大学院に進路を変更するのですが、もしそのまま就職していたらどうなっていただろうと勝手に想像してしまいます。今のイラン戦争による石油化学工業における厳しい状況を考えながら、こんなことまで思い出してしまいました。なんか勝手に身内のように思える日本ゼオンの皆さまには頑張っていただきたいなと思います(上からでスミマセン)。

4月30日、政府と日銀はドル売り円買いの為替介入に踏み込んだ模様です。為替介入の問題については、過去にも触れてきましたが、現状から改めて考えてみたいと思います。市場介入、つまり世界中がつながるとてつもなく大きな規模の市場の動きを止めようとするってすごいことです(決して良い意味ではなく)。政府は介入前に投機的な動きが市場で続いているという認識を示したとされます。

「投機的」とはどのようなことなのでしょうか?投機的とは短期的な利益を目的として行われる売買で、長期的な視点で行う投資と区別されます。今の円安傾向は、日本経済は少子高齢化により消費するパワーが減少し経済活力は活発でなくなってきています。加えて、巨額の財政赤字、日銀の政策金利への対応(ストレートに言えば、政府の様子を気にして金利引き上げの動きを取らないみたいな=ハト派と言います)、本質的に円安に向かわざるを得ない側面があります。市場には投機的なものも当然あるでしょうが、円安の本質は成長が止まった日本の経済的な結果によるものと見ることもできます。国内市場には成長性がないから国外に投資する=円が売られ円安になることは収益性を考えれば自然の流れです。そのような魅力のない国にしてしまったのは日本自身なのですから、政治だけが何とかしようと思っても、大きな流れを変えることは出来ません。

また考え方によっては日本には国外に出て行く資金がある、意欲があるということは悪いことではありません。国内では利益を出せなくても、国外で稼ぐことができれば、世界全体として日本の国力は上がっていきます。このように為替市場における円安の流れは、経済全体を見ると実に自然です。

以前は日本の円はスイスフランと並んで安全な通貨と言われていました。しかし、その後の経済や財政の環境変化(=劣化とも言います)で、日本の円は安全とは言えなくなってきました。当時であれば、円高に流れるはずが円安になることで、投機的と判断できる状況もあったと想像されますが、今はそうではありません。円安は日本経済にとって物価上昇につながるなど、マイナス面が強く、政治的な判断から、円安が国民経済に及ぼす影響は無視できないというのは分かりますが、その環境変化を念頭におけば、果たして介入という措置は正しかったのかと思われます。介入で問題が解決できるほど円安は単純なものではありません。今後の経済政策がどのようなものになるのか、日本経済が力強さを取り戻し、本当に円安を止めるものになるのかという点が注目されます。

今週のAI

テイラー・スウィフトという女性をご存じでしょうか。Wikipediaによれば、「グラミー賞を14回受賞している。世界で最も売れたアーティストの一人であり、音楽業のみでビリオネアとなった唯一のアーティスト」です。AIはネット上の情報を何でも取ってきて加工するので、自身の音声や写真を守るために商標を出願したということです。声や容姿は著作権の対象にならないそうなのですが、著名人であれば、商標として認められるというのが判例のようです。正確には従来の商標権ではなく、商業的利用への保護(パブリシティ権)というものだそうです。

そこでふと思ったのが、一般人であっても個人情報はどのように保護されるのだろうかということ。今までも住所、氏名、生年月日、カード情報などが盗難に遭ってしまい損害を蒙った方は少なくないと思います。私もカードを何度更新したことか。これって損害ですね。AIの普及により、この問題がさらに大きくなる可能性があります。Claudeと話し合ったのですが、仮にカード情報が漏れたと想定します。今まではそのカード情報を使って買い物に使用する程度でしたが、AIを駆使すると、他のところにある住所、氏名、生年月日といった情報と結びつけることができます。その結果、AIが勝手にある組織の会員になったりすることもできそうです。芸能人のファンクラブくらいなら良いですが(いやそれも困るか)、得体の知れない場合によっては犯罪に関わる組織の可能性もあります。

AIの進化が早すぎて理解するだけでも大変ですが、早急に人間の利益を守るための法整備を進めていく必要がありそうです。JR松山駅の整備は置いておいても良いから、こっちを早くしてほしいくらいです。いや、JR松山駅も素敵な駅になったねと言われるようにしてほしいですね。


※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。