【季節の話題】
昨日南予方面に出張した時、高速道路沿いから見えるところ(旧三間町〜宇和町)ではもう田植えが始まっていました。2026年も1/3が終わりました。
15年ほど前、今の事務所に引っ越したとき、私の席から本屋さんのビルを見ることができました。本社が松山で、全国に拡がっていたチェーン店です。東京の五反田にも出店していました。当時は周りにビルが少なかったこともあって、夜になると本屋という看板にスポットが当たり、一緒に残業している友人のような感じでした。そのビルの取り壊し工事が数ヶ月前から始まり、先週末で建物部分はほぼ完了していました。この跡は例によってコインパーキングになるのでしょうか。業種を問わない小売店舗の減少。松山市に限らず、全国的に起きている現象だと思います。
今週の愛媛県シリーズ!
「日本経済新聞社が47都道府県に2026年度当初予算の歳入を尋ねたところ、税収が過去最高になるとしたのは6割にあたる29都道府県に上った。」という記事です。あくまでも予算=計画なので、当たるかどうか分かりませんが、過去の伸び率や経済状況を念頭に、設備投資などの状況を見ながら計算したと思われますので、確率は高いと思われます。愛媛県は法人二税の伸び率が全国2位だったそうです。法人二税とは、法人住民税(市町村民税と都道府県民税)と法人事業税を指します。国税である法人税に対して、地方税として課税される税金です。伸びている背景には、造船業などでの設備投資が見込まれることがあるそうです。少し会計を勉強していると、単純な設備投資は減価償却費が増えるだけで利益面ではマイナスになるのではないかと思われるかもしれません。しかし、設備投資をすると言うことは受注が見込まれているわけで売上増が背景にあると考えられます。また、設備投資のための工事は県内の事業所にも発注され、県内の事業所の売上につながります。イラン戦争で全国的に設備投資の先行きに不安な傾向が見られますが、どうなるでしょうか。
【今週考えたこと】
イラン戦争によるナフサ由来の原材料不足が世界経済に大きな影響を与えています。報道だけでなく、税理士として中小企業の経営者の方と話をすると現在の物不足、価格の上昇は現実のものとなっています。今のところガソリン価格も上がっておらず、日常生活は戦争前と変わらないように見えます。しかし、事業所レベルでは商品の逼迫や値上げが表面化してきており、今後、個人の生活に影響してくることは確実です。
ここをどう乗り切るか。中東の石油が足りないのだから戦争の影響を受けていない北米・南米など他の地域から輸入する、石油を使わない方法を考えるなどいろいろな対策が考えられます。戦争の行方があまりに不確実である以上、確実にできることはそのようなことでしょう。しかし、少し前に書いたように、日本はなぜ中東からの輸入比率が高かったのかということを再び考えてみると、それは効率的だったからです。仮に他の地域から買えば、従来の価格よりも高くなっていたはずです。今回の事態で世界の市況自体も上がっており、さらに高くなるでしょう。つまりインフレですが、今回のインフレはコストプッシュ型インフレ、コストが上昇することによる物価上昇で、モノがたくさん売れて景気が良くなった結果のインフレはありません。資材は上がるが、モノは売れないという状況になりかねません。
新型コロナショックは、先が見通せないという状況が続いたわけですが、先が見通せないという点は今も同じです。まずは戦争が終結すること、その状態が継続すること、復興に向けた動きが始まること、各国がそれに参加できる素地が生まれること、政治的な揺らぎがないこと=経済が安定的に動き出せる環境が生まれることが必要です。政治の安定の元での経済の安定、国民生活の落ち着き、今どこにもないものを多くの人が実感できるようになる必要があります。
政府としても、どのような支援を行うべきか?内部でしっかり議論されていて、問題が表面化した時に即実行に移す、というのであれば良いのですが。
先日、私の携帯に0120から始まる電話がかかってきました。皆さんは知らない番号や0120からの通知は取りますか?私は基本的に取らないようにしているので、この時もスルーしました。その後で、ネットで番号を調べたところ、日経の世論調査でした。分かっていれば電話を取って答えたのに残念。という経験から読むと、なるほどという記事です。
先日の衆院選の流れから、食料品の消費税率を0%にするという改正案について、様々なところから問題の指摘があり、1%という提案が出てきているようです。記事ではレジのことが書かれていますが、消費税の申告の仕組みとして、0%と1%は全く違います。0%にするという仕組みは実は難しくて、消費税は課税するけど0%にするというのと、非課税として結果的に0%にするという2つの計算過程があります。
非課税と0%のどこが違うか?まず「非課税」というのは取引としては消費税の対象だが、制度して消費税をかけない仕組みで、現在は医療の社会保険診療や住宅家賃が対象となっています。医療の問題は、最終的な医療行為は非課税なのですが、そこで使用する医薬品や医療機器には消費税がかかるので、その消費税はコストになってしまう=医療機関が負担することになります。社会保険の計算上はこのコストを計算して積み上げられています。住宅の場合は、例えば居住用マンションを事務所として賃貸したらどうなるという問題が出てきます。仮に食料品を非課税にすると、食料品販売事業者は消費税を払わなくて良くなる反面、そこまでの仕入や経費はコストとして負担しなければいけないことになります。
次に「0%」の場合ではどうなるか。0%で計算されるのは消費者に渡る最終段階ですから、それまでの取引の税率はどうなるかという問題があります。食料品だから最初から0%で良いだろうと思われるかもしれませんが、例えば人が食べるイワシは0%ですが、エサになるイワシは10%となります。野菜や肉でも同じことが言えます。その税率をどこで判断するかといえば、販売先が決まった段階です(ここはここで難しいのですが深追いしません)。販売事業者の消費税を計算すると、売上にかかる消費税は0%、その仕入について食材であれば0%ですが、包装などの諸費用と一般経費の消費税は10%となります。その10%部分は払いすぎと計算されるので、食料品の販売が主な事業の場合は、大半の消費税は還付されることになります。消費者から消費税を取らない(取れない)ということは、事業者も消費税計算上プラスマイナスゼロにしなければいけないので、マイナス部分は還付されるという計算式です。消費税が還付されるなんておかしいと思われるかもしれませんが、消費税として払いすぎたものが還付されるだけで得をするわけではありません。
1%にまで税率を引き下げるというのであれば、8%が1%になるだけで、数字を調整する作業で終わります。0%を非課税とすると、消費税の計算の仕組みが大きく変わります。ここまで書いてきてお分かりだと思いますが、制度としてどちらを取るか、仮に非課税制度にするなら制度設計をしっかり行わなければなりません。ただし、1%でも、食料品を多く取り扱う事業者に還付が増えるという流れは変わらないと思われます。
今の国民会議には官僚の出番が少なく、税理士の参加もないので、このような問題は取り上げられてないかもしれません。しかし、源泉所得税と同様、消費税は事業者が計算・申告して納税する制度です。そのためのコストは事業者が負担しています。税務署は制度の説明、徴収、申告内容のチェックは行いますが、申告自体は事業者に任され、税理士がサポートする仕組みになっています。その仕組みを理解していない、少なくとも現場を知らない人たちだけ(財務大臣は元大蔵官僚なのでよくご存じのようですが)で制度設計を行うことは不可能です。
ちなみに、より実務的に見ると、8%と10%という税率は、国税の消費税と地方消費税に分かれているので、1%をどのように分けるかという問題はあります。
ちょっと専門的すぎる話をしてしまいました。よう分からん!という方もいらっしゃるかもしれませんが、今の消費税はそのような複雑で難しい仕組みなのです。政治家が選挙で消費税減税を大々的に取り上げ、国民もそれを支持したなら、今さら分からないというのは無責任です。GWの間、みんなで分かるまで勉強し、問題点を理解した上で出口を考えましょう。
【今週のAI】
最近AIの課題に触れることが多くなりました。
AIはとても便利なものです。これがないと仕事が大変という方も少なくないと思います。しかし、使われるに従って問題も出てきています。それはAIの能力の問題ではなく、使う側、人間の問題です。また、AI以前のSNSも問題となっていて、これはすでに海外では法律で規制する動きが広がってきています。
成人していない子どもがスマートフォンのようなIT機器、AIとそれらによるSNSから受ける肉体的、精神的な影響はひじょうに大きく、メンタルヘルスの危機だという記事です。私たち大人はアナログで育ち、頭の中も基本的にアナログですが、若い人は生まれたときからデジタルの中で生きてきました。友人との会話も、直接のやり取りではなく、LINEがメインになっています(日本では)。最近はそれにAIが加わり、会話する相手が人間ではなくAIというのもおかしくありません。心身が成長段階の若い人たちにとって、それがどれだけマイナスになるのかというのは十分想像できることです。問題なのは、サービスを提供するテクノロジー企業は、この問題をほぼ無視している状態であるということです。その結果、各国では若い人に対する規制を法律化する動きが見られます。タバコの規制は目に見えるので分かりやすかったですが、デジタルは見えにくいのと、基本的に便利なものだから、どのような規制をすべきかという内容もひじょうに分かりにくいことが問題です。この記事を読むと、日本でも早く対応を考えるべきと言うことが伝わってきます。
町で小学生、中学生の帰宅風景を見かけます友達と楽しそうにやりとりしてるところを見ると、AiやSNSなんかでおかしくなるなよと思ってしまいます。
※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。
