F&Aレポート

慣用句の理解 〜「国語に関する世論調査」(文化庁)より 2

 「言葉遣いについて気を使っている」と回答した人は8割。また、「敬語は必要だと思う」と回答した人は9割。前回に続き、文化庁の「令和6年度 国語に関する世論調査」について、興味深い点をご紹介します。

「家電(いえでん)」「映(ば)える」「エモい」を使うか

以下の言い方を使うことがありますか?

  1. 「インターネットの有料サービスを利用する」といった意味で「課金する」という
  2. 「インターネットで商品などを買う」といった意味で「ポチる」という
  3. 「写真に写すときなどにきれいでおしゃれに見える」といった意味で「映(ば)える」という
  4. 「心が揺さぶられる感じがする」といった意味で「エモい」という
  5. 「自宅にある固定電話」といった意味で「家電(いえでん)」という

<全体の結果>

 「使うことがある」「使うことはない」
(1)「課金する」46.2%52.1%
(2)「ポチる」32.0%66.3%
(3)「映(ば)える」50.4%48.1%
(4)「エモい」17.8%80.6%
(5)「家電(いえでん)」52.6%45.9%

 年齢別に見ると、どの言い方においても、60代以上では「使うことがある」と回答した人の割合が、他の年齢層より低い傾向にある。「課金する」「エモい」は年齢が上がるに従って、低くなっている。

「付かぬ事」「役不足」どちらの意味か?

 以下の言葉の意味は、それぞれ(ア)と(イ)のどちらだと思いますか?

  1. 「付かぬ事」
    (ア)些細でつまらないこと
    (イ)それまでの話と関係ないこと
  2. 「したり顔」
    (ア)得意げな様子
    (イ)知ったかぶりしている様子
  3. 「役不足」
    (ア)本人の力量に対して役目が重すぎること
    (イ)本人の力量に対して役目が軽すぎること

<全体の結果>

    (1)「付かぬ事」例:付かぬことを伺いますが令和6年度 
(ア)些細でつまらないこと41.6% 
(イ)それまでの話と関係ないこと45.6% 
(ア)と(イ)の両方9.8% 
(ア)や(イ)とは、まったく別の意味2.3% 
無回答0.8% 
    (2)「したり顔」例:したり顔で説明する令和6年度 
(ア)得意げな様子64.5% 
(イ)知ったかぶりしている様子25.1% 
(ア)と(イ)の両方8.2% 
(ア)や(イ)とは、まったく別の意味1.1% 
無回答1.1% 
      (3)「役不足」例:彼には役不足の仕事だ令和6年度平成24年度
(ア)本人の力量に対して役目が重すぎること48.9%51.0%
(イ)本人の力量に対して役目が軽すぎること45.1%41.6%
(ア)と(イ)の両方4.5%2.5%
(ア)や(イ)とは、まったく別の意味0.9%1.6%
無回答0.7% 
わからない 3.4%

 「役不足」については、ほとんどの年代で(ア)本人の力量に対して役目が重すぎることと回答しています。力量が不足している場合は「力不足」と表現すべきでしょう。