ボストーク

湊町レター Letter From Minato-machi 2025(令和7)年11⽉1⽇ No.172

酒井啓司税理⼠事務所今⽉の税務(主なものだけ掲載しています)

  • 所得税予定納税の第2期分の納付(期限:12⽉1⽇)
  • 所得税予定納税の減額申請(期限:11⽉17⽇)
  • 個⼈事業税第2期分の納付(期限:11⽉中の条例の定める⽇)
  • 9⽉決算法⼈の法⼈税・消費税等の確定申告
  • 3⽉決算法⼈の法⼈税・消費税等の中間申告

今年の年末調整について

来⽉から年末調整作業が始まります。役員従業員の皆さんに対しては、計算に必要な情報を早めに整えていただく必要があります。
なお、①扶養等に関する前年からの異動、②配偶者と扶養控除対象者の年内の収⼊⾦額、③途中⼊社の⽅の前職の源泉徴収票等については、早めに確認いただきますようにお願いします。なお、不明な点等がございましたら、事務所までお知らせ下さい。


11⽉です。今年も残り2ヵ⽉を切ってしまいましたが、急に気温が下がることで何となく体調がおかしいと⾔う⽅もいらっしゃると思います。⾝体と⼼をあたたかくして来る冬に備えましょう。

この1ヵ⽉の間に政界では⼤きな変化がありました。⼥性初の⾃⺠党総裁の誕⽣、公明党の与党離脱と⽇本維新の会の参画、そして⾼市早苗⾸相の誕⽣です。⽇本の政治は様々なところで世界から遅れています。その⼀つが⼥性の政界進出であり、世界経済フォーラムWEFが発表した「ジェンダーキャップレポート」では、調査対象148カ国の内、⽇本は118位、アジアの中でもタイ、ベトナム、韓国そして中国よりも下です。その圧倒的な男性優位社会の中で、初の⼥性⾸相になったということは彼⼥の努⼒は並⼤抵のものではなかったのだと想像できます。先⽇のトランプ来⽇時に⾒せた態度も堂々としたものでした。彼⼥が訴えてきた政策については賛同できない⽅も少なくないでしょうし、政権誕⽣の背景に⿇⽣⽒が⾒え隠れするなど将来に不安な⾯もありますが、いまだに⾸相を輩出していない愛媛県にとって縁にある⽅が⾸相になったことでもあり、今後に期待したいと思います。

ただし、⾸相が交替するだけでは、経済その他の課題が解決するわけではありません。例えば、⾼市総裁誕⽣から円安が急速に進みました。原稿執筆時点では、1ドル145円前後から154円前後まで進んでいます。これは円の価値が6%下がったことになります。⽇本は輸⼊に頼る国ですから、単純に物価が6%上昇することになります。円安を容認すれば、物価解決策の⽅向とは⽭盾することになります。⾼市さんが尊敬する安倍元⾸相はアベノミクスの中で輸出企業の競争⼒を上げることを⽬的に円安誘導を⾏いました。当時、国内はデフレ下であり、円安になっても物価が上がることはありませんでした。今思うと、それでも物価が上がらなかったわけで、⽇本経済の冷え込みはすごかったのでしょう。インフレの時代に同じ政策は通⽤せず、⼤変難しい環境下で⾼市⽒がどのような政策を決断するか、です。

⽬の前の物価対策も必要ですが、急激に進む少⼦⾼齢化も⽌まったわけではありません。減税政策は国⺠には受けると思います。しかし、国を動かすために税⾦は必要です。このような時だから国⺠に理解を求め、将来のための税制と予算を構築する必要があります。