F&Aレポート

ハレの日「新札」を包む2つの理由

 新年の恒例行事として、お正月にはお年玉を渡す人もいると思います。今年は20年ぶりにデザインが変更された新紙幣が発行されたので、この新紙幣を包んだお年玉は、一段と新鮮に映ることでしょう。

 お年玉や祝儀には「新札」を使用するのがマナーとされていますが、これには、二つの理由があります。一つは、慶びごとやお祝いといった「ハレの日」に、気持ちも新たに前途を祝す願いを込めるということ。誰も使用していない新札は、その心を象徴しています。二つ目は、大切なこの日を迎えるにあたり準備を整えていましたという、送る側の思いや姿勢を示すという理由です。

 あいにく新札が手元にないときは、「ピン札」で間に合わせることもあります。新札は、発行されてから未使用のままのお札ですが、「ピン札」は、すでに使用されているもので折り目や汚れがなく、比較的きれいなものをいいます。

 金融機関に行けば、通常いつでも新札に両替はできますが、知人の銀行員曰く、年末年始は「品薄」になるそうです。そういったときは、金融機関でもその旨を説明した上で、新札ではなく「ピン札」で両替することもあるといいます。どうしても新札が必要な人は、早めに両替をしておくのが安心かもしれません。

 そうやって準備した、せっかくの新札を折るのはもったいない気もするのですが、ポチ袋に入れるときは、印刷された人物の顔が上にくるように三つ折りにします。

 ポチ袋がないという場合は、半紙や懐紙を折ってポチ袋の代わりにしても、失礼にはなりません。(ただ、小学生に懐紙で包んだお年玉を渡すと不思議な顔をされました)

 なお、紙幣は新紙幣でも旧紙幣でも問題ありません。ジワリと年の瀬が近づいているのを感じる今日このごろです。