文化庁では、平成7年度から毎年「国語に関する世論調査」を実施しています。先日、令和5年度に実施した結果が発表されました。本レポートで2回にわたりご紹介します。
調査目的:現在の社会状況に伴う日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、 国語施策の立案に資するとともに、国民の国語に関する興味・関心を喚起する。 調査対象:全国16歳以上の個人 調査時期:令和6年1月16日〜3月13日 調査方法:郵送法 調査対象総数:6,000人 有効回収数(率):3,559人(59.3%) |
国語への関心 →「関心がある」が約8割
質問:あなたは、日常の言葉遣いや話し方、あるいは文書の書き方など、国語について、 どの程度関心がありますか(一つ回答) |
「非常に関心がある」13.5% 「ある程度関心がある」67.4% (「非常に関心がある」と「ある程度関心がある」を合わせた「関心がある(計)」は80.9%) 「まったく関心がない」1.5% 「あまり関心がない」17.0% |
*過去の調査結果(平成4、12、29、30、令和3年度)と比較すると、「関心がある」の割合がやや増加傾向にあります。平成4年度「関心がある(計)」は72.9%。
*年齢別にみると「関心がない(計)」の割合は、20代以下でやや3割と高くなっています。
関心がある点 →「日常の言葉遣いや話し方」が約8割と最も高い
質問:「関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人(全体の80.9%)に対して、 国語のどのような点に関心がありますか。(三つまで回答) |
「日常の言葉遣いや話し方」80.7% 「敬語の使い方」48.9% 「文字や表記の仕方あるいは文章の書き方」42.4% 「言葉の意味・由来や国語の歴史」38.3% 「新語・流行語」17.6% 「パソコン・スマホなどの情報機器が国語に与える影響」14.0% 「発音やアクセント」13.2% 共通語や方言」10.7% 「外来語や外国語の使い方」9.0% 「国語教育や国語に関する施策」6.2% 「国際化が国語に与える影響」3.4% その他 |
*年齢別に見ると「日常の言葉遣いや話し方」は、16〜19歳で他の年齢層より低く66.1%。「敬語の使い方」は、20代で他の年齢層より高く61.5%。「文字や表記の仕方あるいは文章の書き方」は、30代と50代で他の年齢層より高く4割台後半となっています。
日本語の特徴で魅力を感じるところ
質問:あなたは、日本語の特徴と言われることについて、どのようなところに魅力を感じ ますか。あなたのお考えに近いものをいくつでも選んでください。 |
「漢字やひらがな、カタカナなどの様々な文字」64.2% 「敬語などの敬意を表す言葉遣い」58.1% 「季節や気候を表す言葉が多様であること」54.6% 「ことわざなどの古くからある言葉」40.3% 「擬声語、擬態語(さらさら、きらり)等が多様であること」39.3% 「直接的ではなく、それとなく伝える言葉遣い」38.0% 「方言が多様であること」29.0 「話し言葉の音の響き」28.8% 「新しい言葉が次々に生まれること」10.4% 「外国の言葉を取り入れやすいこと」9.7% |
*「敬語などの敬意を表す言葉遣い」「季節や気候を表す言葉が多様であること」は、60 代以上で高く、「新しい言葉が次々に生まれること」は年齢が低いほど割合が高くなる傾向。