ゴールデンウィーク真只中です。仕事の方もお休みの方も、これからまだゴールデンウィーク後半が控えています。郷里に帰る時や、職場への心遣いで、ちょっとしたお菓子などを配ることもあるでしょう。その際は、「差し入れ」になるのでしょうか。それとも「手土産」、「おすそ分け」でしょうか?
これらは、なんとなく使い分けていると思いますが、その定義はそれぞれ異なるものです。ご紹介しましょう。
「差し入れ」は、江戸、明治の頃には牢獄、監獄にいる人に、本や食べ物を届けることを表す言葉でした。扉の隙間から差し入れていたので、「差し入れる」になったわけです。のちに芝居小屋の役者も使うようになったと言います。
そういった経緯から、職場、学校、合宿所など、逃げられない空間にいる人に向けて「励まし」「ねぎらい」「応援」の気持ちを表します。
「手土産」は、自宅や職場を訪問した際に「お世話になります」「ありがとうございます」といった意味を持ってお渡しするものです。
手土産は、渡し方にマナーがあります。玄関先ではなく、部屋に通されてからお渡しすること。紙袋(ビニル袋)などは、ホコリよけなので、袋から出して箱の向きを整えてお渡しすること。このとき、両手で胸の位置で持つと丁寧な印象です。袋は自分で持ち帰るか、処分していただくようお願いします。
「おすそ分け」は、他人からいただいた物の一部を、知人、友人などに分けることを言います。「すそ(裾)」は着物の裾で、地面に近い末端部分のことを表すので、本来は「つまらないもの」という意味があります。目上の人に対して「おすそ分け」は失礼にあたるため、「おすそ分け」ではなく「お福分け」という表現がふさわしいと言われています。