F&Aレポート

「参考になりました」を、訂正するメールを送るかどうか

 先日、マナーについてお問い合わせがありました。「目上の方に、『大変参考になりました。ありがとうございました』というメールを送ってしまったのですが、『参考になりました』が、目上の方に使う表現ではないと後から知りました。訂正したメールを送るべきでしょうか」という内容です。

 「参考」とは、自分の考えや行動を決める手がかりにするとか、何かと比較したときに判断材料のひとつにするという意味です。そのため、受け止め方として比較的軽い印象があるのです。

 言葉として悪いものではなく、致命的な間違いとまでは言えないので、訂正メールを送るほどでもないというのが、私自身の見解です。むしろ、訂正メールをあらためて送ることの方が、かえって相手の方に気を遣わせることになるのではないかと思うのです。

 「参考になりました」というメールを受け取ったあとに、「いや、あれは間違いで、大変勉強になりました。申し訳ございません」などというメールを受け取ると、どのように返信をしていいか、悩んでしまいます。

 状況や関係性にもよるので一概には言えないのですが、どうしても気になるようなら、「訂正」ではなく、表現を変えて「追記」メールを送ってみるのはどうでしょうか。

先日は、大変勉強になりました。
貴重な情報を活かすべく早速毎日取り組んでおります。
あらためてお礼申し上げます。
ありがとうございました。

 表現を変えることで、しっかり受け止めている感じが伝わらないでしょうか。また、ビジネスメールにふさわしい短い文章でさらりと送れば、返信する側もビジネスライクに対応できることでしょう。答えは一つではありません。どうか参考までに。