F&Aレポート

「おいとま」の意味とタイミング

 「おいとまします」は、「帰る」の謙譲語です。訪問先から帰る、去るときに「帰らせていただきます」という意味で使います。

 「おいとまする」は「御暇する」と書きます。あくまでも自分の行為を低めて、相手を立てる謙譲語なので、目上の人の行動を指して「部長はおいとましました」などとは言いません。

 さて、その「おいとま」のタイミングですが、訪問先からスマートに切り上げるには、ふさわしいタイミングがあります。

「先方がお茶を入れ替えようとしたとき」「話が一段落したとき」「先方(または自分の)電話が鳴ったとき」「先方の秘書(部下)がメモ(伝言)を持って来たとき」などです。

 その他、一般的には「約束の時間になったとき」「まだ少し心残りがあるぐらいの時間」「30分~1時間程度」などが、おいとまを切り出すタイミングとされています。

 また、これからの季節はコートやマフラーといった小物を身につけますが、基本的には玄関をでたところで身につけます。「寒いので部屋の中でどうぞ」と勧められたら、「恐れ入ります」と厚意に甘え、上着だけは玄関内で着ますが、マフラーや手袋などは外に出てから身につけます。

 逆に、訪問した際には、コートやマフラーなどは、すべて外してから受付に立つようにしましょう。着用したままだと、外のホコリやウイルスなどを持って入ることになるのでNGです。

 うっかり長居をしすぎてしまうのは禁物。先方側から「もう帰ってください」とは言いにくいものです。話が長引くようなら、あらためてアポイントをとり、受付にも軽く挨拶をして切り上げましょう。