今こそ、おもてなしの真価が問われる?
これから「接客」という仕事は二極化するように感じています。一方は、徹底して経費や労力を省きシステム化されていく接客です。そもそも「人」が関わらなくなれば「接客」という言葉の意味も変わってくるのかもしれませんが、「接客」は人の仕事ではなく、「機械」の仕事になる時代になりつつあるともいえます。
すでにコールセンターやホテルの受付などは、人ではなくシステムが対応しています。飲食店もタブレットで注文しロボットが配膳します。スーパーやコンビニのレジも、セルフレジの導入が広がっています。
接客のために採用し教育するという苦労もなくなり、担当者によってサービスの質に差が出るという問題もなくなります。一見、それはものすごく合理化された理想の「接客」と言えるのかもしれませんが、それですべてが機能するわけでもなさそうです。
一方の接客は、徹底した「おもてなし」です。AIを効果的に活用しつつ、余った時間や労力を「人の教育」に投資し、人にしかできないサービスを提供していくというものです。「おもてなし」や「マナー」というと、どこか古いしきたりのように感じる人もいるかもしれませんが、「おもてなし」の真価は、AIが主流になればなるほど問われるものになるのであろうと思います。
なぜなら人の優しさや温かみは、人にとって最高のギフトだからです。親切にしてもらうこと、笑顔でスマートに対応してもらうことは、安心感があり、自己肯定感と自尊心を高めてくれます。私たちはそんな対応に時間とお金を費やしたいと思っています。
コロナが落ち着き旅行も外食も買い物も、多くの人が動き始めました。コロナ禍で自粛していた飲み会も解禁になり、リアルに人に会うことも可能になりました。
待ちに待った営業を本格的に再開したという店舗も多く見受けられますが、「接客」の良し悪しには差があるように感じます。AIを活用しながら最高のおもてなしを提供していく重要性は、今後ますます増してくるに違いありません。