F&Aレポート

メンタル不調は人付き合いから?

メンタル不調は人付き合いから?

 長引くコロナ禍の生活変化により、ストレスを溜め込みメンタル不調になる人、またはメンタル不調予備軍が増えていると聞きます。そのストレスの多くは、仕事でも家庭でも主に人間関係から生じていると言われます。

 コロナの影響で親しい友人にもなかなか会えず、離れて暮らす家族にも会いづらい、職場や学校だってオンラインになり、人との関わりそのものが希薄になりつつある今だからこそ、一度整理してみるのはいかがでしょうか。人間関係の整理、棚卸しです。

 日本三大随筆のひとつ『徒然草』には、『友にしてはいけない七種類の人』と、『良い友ベスト3』が挙げられています。

『友とするのによくない者が七つある。一つには身分の高い人、二つには若い人、三つには無病で体の強い人、四つには酒を飲む人、五つには勇猛な武士、六つには嘘をつく人、七つには欲深い人』(第117段)

 大雑把な解釈ですが、身分の高い人と付き合うのは気疲れする。若い人を相手にすると言葉や思考パターンの違いに気を遣う。体の強い人、酒を飲む人は、行動を共にするとくたびれる。猛々しい人は敵に回すと危険、または同士とみなされても同じく危険。嘘をつく人は信用すべきかどうか常に惑わされる。欲深い人の欲望に応えるのは負担になる。これらは別の言い方をするなら「自己中心的」「弱者に配慮が足りない人」といえそうです。

 では、『良い友ベスト3』とは。

『良い友に三つある。一つには物をくれる人。二つには医者。三つには知恵のある人』

(第117段)これら実益のある人を挙げているのは、筆者特有のユーモアとも言われていますが、こんな冗談も言えて、笑って解釈してくれる人が良い友だと言っているのかもしれません。人間関係にもソーシャルディスタンス。一歩離れて見直してみると少しラクになることもありそうです。