F&Aレポート

「おはよう」のことばの意味

「おはよう」のことばの意味

 家族で「おはよう」と言わない家も少なくないそうです。目覚めて、朝一番の挨拶が「おはよう」なのですが、この「おはよう」の言葉にはどんな意味があるのでしょうか。

 「おはよう」の挨拶は、これから始まる一日はどんなことがあるのかわからない状態で、自分の心がまったく新しいことを伝え、「あなたにとっていい一日であるように」と、幸せを願うことばです。だから、「おはよう」の挨拶には、間髪いれずに「おはよう」を返すのです。

 いわば、「これから始まる一日が、あなたにとって良い日でありますように、私は願っています」。「こちらこそ、あなたの一日が幸せであるように願っています」。という気持ちのやりとりです。自分の都合だけを考える人には「おはよう」の挨拶は生まれません。これは江戸時代から変わらない、日本の古き良き習慣です。

 さらに、挨拶は
一、 笑顔(表情)
一、 言葉(思いやり)
一、 お辞儀(態度)
この三つが揃うことこそ重要で、相手の心に届いていい人間関係を築きます。

 生きているものすべて、「死」に向かって生きています。寿命というものが定められているとしたら、日一日と私たちの生命の長さは、確実に縮まっているわけです。だからこそ、新しい一日を迎えることは、新鮮でありがたいことです。

 「おはよう」の挨拶は、一日の始まりを迎えた感謝の気持ちと、お互いの無事と幸せを祈りながら共生していく人間愛に満ちた心のあらわれです。挨拶をするもしないも個人の自由ですが、ことばの意味を知ると、家族やご近所で、「おはよう」の声が聞こえないのは、なんとも一層寂しい気がしますね。