F&Aレポート

物音の大きい人

物音の大きい人

 何をするにつけ「物音の大きい人」がいます。たとえば、歩く音(足音)が大きい。荷物をどすんと座席に置く。ドサッと座る。ロッカーやキャビネットの開け閉めの音が大きい。受話器をガチャンと置く。パソコンのキータッチの音が大きいなど。

 その人がどこで何をしているのか、実際に見なくても物音でわかるといった感じです。気にならないうちはいのですが、その物音が気になり始めると、どうも気が散ってしまいます。でも、本人は決して悪気はないのです。ただ、立ち居振る舞いやしぐさの一つ一つの音が大きいだけなのですが、状況によっては、「機嫌が悪いのかしら?」「怒らせてしまったのかな?」など、周囲に余計な心配をさせてしまうこともあります。

 何か致命的なミスでもなく、多大な迷惑をかけているわけではないので注意するほどのことでもないのかもしれませんが、あえて言うなら、物音が大きい人はエレガントではないと言えるでしょう。また、どうしても物の扱いが雑になることが多いので、物を壊したり故障させたりすることにもなりかねません。

 静かに大事にものを扱う人、また、動きやしぐさにソツが無い人は、物音は大きくなりません。指先にまで神経を行き届かせる。人にも物にも体と臍を向けて対峙することができる人は、一つ一つの動きに「今、ここ」の気持ちが入っているからです。これは習慣なのかもしれません。または、あれもこれもと一度にたくさんのことを成そうとして、ひとつのことに心が向いていないのかもしれません。気持ちはわかりますが、多忙な現代だからこそ、ひとつひとつの仕事を確実にこなしていくことも求められています。ひとつひとつの所作に気持ちをいれて、少しだけ丁寧にする。それだけで優雅に見え、案外物事がはかどることもあるのではないでしょうか。気をつけたいですね、物音。無意識のうちに周囲にがさつな印象を与えてしまっているかもしれません。まずは自ら戒めたいと思います。