F&Aレポート

早口の直し方

 「早口」というのは、ほとんどの場合いい印象ではありません。しかし、自分で早口だとわかっていても、それが自分自身のリズムになっているので、わかっていてもなかなか直りません。一般的に大物と言われる人は、低音で落ち着きのある喋りをし、小物と言われる人は、高音でペラペラと喋り、軽薄なイメージというのがあります。

 早口=話すスピードが早いということになりますが、なぜ良くないのかというと、相手に考えさせる(理解させる)時間を与えないということになるからです。併せて、早口になると滑舌も悪くなりがちで、一音一音が明確でないために全体的にはっきりしない話し方になり、語尾も不明瞭になります。万一、早口で滑舌に問題がないとしたら、ハキハキと早口で話すわけですから、かなりキツい印象になります。

 特に交渉事や、相手を説得したいという場合は、早口でまくしたてるのは得策とはいえません。息継ぎで間を取り、「ここまではよろしいですか」という感じで進めるのがベターです。

 早口になる原因は、自分自身がその内容に関してよくわかっているからです。相手もこのぐらいわかっているだろうという気持ちで臨むと、理解の確認ができないまま進んでしまいます。また、プレゼンや発表などの場合は、「早く終わってしまいたい」という気持ちがあって、無意識のうちに早口になっている場合もあります。さらに、緊張して声がうわずっている場合は、必然的に話すスピードは早くなるのです。(これはレコードの回転数と、音の高さの関係と同様)

 日頃から、「間」を意識して話すことと、「相手の理解度」を確認しながら話を進めると、早口解消の緩急が身につきます。大事なところはゆっくり目に言う、リピートするなどの配慮をすることです。聞き手がうなずきながら聞いていたとしても、理解しているかどうかは別物です。うなずきと理解は別物だということも想定して早口を調整しましょう。