F&Aレポート

歳時記 「夏越しの祓(なごしのはらえ)」半年分のケガレを落とす方法

歳時記 「夏越しの祓(なごしのはらえ)」半年分のケガレを落とす方法

 早いもので、2014年の半分が過ぎてしまいました。昔から、6月30日は半年に一度の厄落としとして、「夏越しの祓(なごしのはらえ)」が行われてきました。これは、半年後の12月末の「年越の祓」と対になっています。「夏越の祓」は、「年越の祓」のような派手さはないものの、心身を清めて心新たに日々を迎えるという大切な節目の行事でした。

 神社などでは、厄落としの方法として「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」が行われます。茅の輪とは、チガヤという草で編んだ輪のことです。神社の境内に作られた大きな茅の輪の中を、真言を唱えながら8の字を書くようにして3度くぐりぬけます。茅の輪をくぐることで半年分のケガレを落とし、病気や災いを逃れることができるといわれています。この「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」については、旅人に扮したスサノオノミコトに由来する日本神話に基づいているとも言われています。

人形(ひとがた)を流して厄払い
 人形(ひとがた)とは、人の形をした紙の形代(かたしろ)です。人形に自分の名前や年齢を書き、それで体を撫でで人形に罪やケガレを移し、身代わりとして神社に納めます。人形を川に流したり、火で燃やしたりして厄を落とします。
 地方によっては、紙ではなく藁で人形を作るところもあるほか、お清めのために人が直接川や海に入ることもあります。

「水無月」を食べて厄払い
 冷房もなく冷蔵庫もない時代に、これからの蒸し暑い時期は病気が流行り、体力も消耗しやすくなりました。そこで、甘くて食べやすいお菓子でエネルギーを補給し厄祓いをしていました。今でも和菓子屋さんにいけば「水無月」というお菓子は手に入ります。(最近はスーパーでも扱っているようです)「水無月」は、ういろうの上に邪気を祓う小豆が乗った三角のお菓子です。いずれにしても、一年の節目であり、体調を崩しやすい時期でもあります。心して後半戦に臨みたいですね。