F&Aレポート

センスある扇子の使いかたと、知っておきたいNG

センスある扇子の使いかたと、知っておきたいNG

 じめじめとした暑さの中で、スッと扇子を取り出して優雅に涼をとる人を見かけると、ハッとさせられます。反対に、パタパタとせわしなく扇子を動かしてしかめっ面をしている人をみると、こちらまで暑苦しくなってきます。同じ扇子を使う行為なのに、どうしてこんなにイメージが違うのでしょう。
 最近では、男性女性問わずデザインも豊富で安価なものもたくさん出回っています。気の利いた季節小物としてセンス良く使いたいものです。
 今回は、扇子の上手な使い方と、知っておきたいNGについて…。

1.目上の人の前では、全開で使わない
 これは、案外知られていないことなのですが、目上の人の前で扇子を使うときは要注意です。目上の人の目前で扇子を全開にして、これ見よがしにパタパタとあおぐ行為は御法度です。たとえば炎天下を歩いて、どうしようもなく扇子を使いたいときは、「ちょっと失礼します」と一声かけて、扇子は半開きにしてやや遠慮がちに、あおぎましょう。少し慎み深くあおぐ…といったところでしょうか。

2.扇子の開け閉めに要注意
 扇子の開け閉めには、指先の表情が表れます。力まかせにグイっと引っ張ったり、無造作に畳んだりすると、がさつな印象になります。間違っても、扇子の生地がはみだしたりしないよう注意したいものです。小物づかいは意外なほど目につくものです。扇子を買う際には、開け閉めの感じを確認して、ビジネスシーンにふさわしいデザインのものを選びましょう。

3.挨拶、祝儀、御礼の際のたしなみとして
 畳の上で座って挨拶をする際に、膝前に扇子を置くことがあります。これは自分と相手の結界(境界)を示すためです。また、祝儀や御礼を渡す際に、扇子の上に乗せて渡す場合もあります。日本の文化や習わしとしての扇子の使い方も心得ておくと、センスがキラリと光りますね。