正しい拍手のしかた 拍手に万感の思いをこめて!
私たちは日頃どんなときに拍手をしますか?
誰かの講演を聞き終わって拍手、上手く発表できた人に拍手、お世話になった人を見送るときに拍手など、仕事や人生の節々で拍手を送るシーンがあります。
拍手にはその時々に意味があります。「ありがとう」という感謝の拍手や、「素晴らしい!」という感動の拍手、「おめでとう」というお祝いの拍手、「おつかれさまでした」の労いの拍手など。「ことば」の代わりに「拍手」をするという行為をもって、それらの気持ちを表現しているのです。
ある会社で講演を終えたときに、建物が揺れんばかりの盛大な拍手が響きました。私は、その拍手に感動して、あとでその会社の社長に尋ねました。「あのように響く拍手をいただくのは初めてです。何か指導をされているのですか?」と。すると社長は「はい、私どもは拍手の練習をしています。なぜなら、一人ひとりが直接、御礼を述べることができないからです。全員が精一杯の拍手をすることで、その気持ちを伝えているのです。その場で気持ちを伝えることのできる唯一の行為ですから」とおっしゃいました。
たしかに言われてみるとその通りです。拍手は「気持ちを伝える唯一の行為」だったのです。拍手をすることに深く意味を考えることもなく、つい儀礼的なこととして終わらせてしまいがちであることに気づかされました。
また、全員が心をこめて拍手ができるように指導される経営者も素晴らしい!!
当たり前のことかもしれませんが、全員が心をひとつにして、思い込めて拍手をするのは、決して簡単なことではないのではないでしょうか。
指先まで意識して、手をパッと開き、手の平が痛くなるほどしっかり拍手をする。自然に笑顔になる。そんな拍手が本来の拍手ではないかと考えさせられた一件でした。