F&Aレポート

日本人はダジャレ好き? 冬至になぜ「ん」のつく食品を食べるといいの?

日本人はダジャレ好き? 冬至になぜ「ん」のつく食品を食べるといいの?

 「洒落を言う」というのは、その昔、貴族や公家といった上流階級の人達の会話術としての嗜みでした。その「洒落」の中でもあまりパッとしないもの、今でいうなら一発ギャグ的なものを「駄洒落」と呼び「洒落」と区別していたようですが、そのうち「洒落」と「駄洒落」のはっきりとした区別はなくなります。
 この「駄洒落」は、海外の言語でも見られますが、日本ほど日常化し、多くの種類がある国はないそうです。それはひとつには、日本語が基本的に五十五音からなる少ない音に原因があります。日本語は同音異義が多いのが特徴です。このため駄洒落が生まれやすいのです。
 さて、前置きが長くなりましたが、”冬至の日に「ん」のつく食べ物を食べたら元気になる”という習慣も、この日「ん」のつく食べ物を食べると「運」がつくと信じられてきたからです。こんにゃく、れんこん、みかん、にんじんなど。しかし、あながち駄洒落だけではないようです。冬至という寒い時期のビタミンやカロチンを含む食材が、無病息災に役立つことは科学的にも証明されているので。
 またゆず湯に入る習慣も、ゆずの効果で邪気を払い、風邪の予防や肌の保護に役立つからだと言われますが、一方では「ゆず」が「融通」に通じるので、「お金の融通」「融通を利かせてもらう」などの語呂合わせで縁起をかつぐ意味もあったそうです。
 冬至は古代中国では暦の起点とされました。この日を境に日照時間が長くなるためで「一陽来復(いちようらいふく)」「陽気回復の日」として祝う重要な節目でした。太陽が再び戻って来る冬至(12月22日)を、クリスマスや正月同様に見直してみたいですね。