F&Aレポート

一流リーダーは仕事の結果に厳しい。だが、ビヘイビアにはその100倍厳しい。

一流リーダーは仕事の結果に厳しい。だが、ビヘイビアにはその100倍厳しい。

1.「ビヘイビア」ってなに?
 最近手にとったリーダー本の中に「一流リーダーは仕事の結果に厳しい。だがビヘイビアにはその100倍厳しい。」(はじめて部下ができた時に読む本 千田琢哉著)という一節があり、ひどく共感した。仕事柄、多くの経営者に会うが、長期的に組織を成長させることのできるリーダーは、必ずビヘイビアには厳しい。
 「ビヘイビア」とは、振る舞い、態度、行動のことである。大きく言えば「マナー」と言ってもいい。挨拶をする、時間を守る、身だしなみに気を遣う。常識があり、人に対する思いやりや配慮があるからこそ、信頼され人望を集めることができる。だからこそ、部下もついてくる。業績が伸びるといった構図になるのだろう。
 立派な経営者は、周囲に対する気配りが素晴らしい。たとえば、飲み会などのラフな会合でも、目の前の人のグラスが空になるとひと声かけて気遣う。給仕をしてくれる店の人にも横柄な態度はとらない。その場に応じて、臆せず出しゃばらず、しかし、自らの主張や意見は持っている。求められれば堂々とそれを述べる。
 人よりも先に問題に気づくので、慌てていない。場の空気を読んだ振る舞いができる。時間を守り、いつも気持ちのいい挨拶ができる。ついでに、「オシャレ」というよりも「身だしなみ」には、人一倍気を遣っている。
 逆に、振る舞いや身だしなみは二の次にして、ただ目先の数字だけを追いかける経営者もいる。それでも短期的には結果が出るかもしれない。しかし、永続的結果を出し続けることができるか。世の中に貢献し続けることができるか。かつて「時代の寵児」と呼ばれたホリエモンが脳裏をよぎる。
 マスコミ等で見かける大企業の経営者も、中小、零細企業の経営者も、規模の差はあれ、経営者というステージに立っていることは変わらない。目標に向かって結果を出し続けていくなら、仕事の結果同様、いやそれ以上に自他ともにビヘイビアには厳しくあるべきだろう。「所詮、零細企業だからこの程度、、」と、最初からあきらめているようでは、それなりの評価と結果しか得られないのは自明の理ではなかろうか。

2.参考にしたいビヘイビア
(1)自分の仕事は「始業時間」までに終わらせ、一番に帰るのが美しい
(2)朝の「おはよう」は部下よりも先に言う
(3)会議では一番乗りに席に着く
(4)年上の部下でも必ず敬語を使わせる
(5)会議の終了時間は死守する
(6)部下の両親の話は、マネジメントに活かせる
(7)部下が何に喜び、何に怒るのか、きちんと押さえる
(8)「とにかくがんばれ」は、アドバイスとして最低レベル
(9)飲みニケーションの数と信頼関係は、必ずしも比例しない
(10)逆境でのあなたの表情が、チームの士気を決定する
(11)叱るときは冷静に、褒めるときは感情的に
(12)叱るときは30秒以内で
(13)部下が起こした問題は、あなた自身の問題を教えてくれる
(14)時間を守れない部下は、目標も達成できない
(15)最高のストレス解消法は、最愛の人と話すこと
(16)いいセックスをしていないと、いいリーダーになれない
(17)つらいときこそ、顔を上げる
(18)壁にぶつかったら飲み屋ではなく、書店に足を運ぶ
(19)どん底から這い上がった偉人たちの共通点を考える
(20)腹をくくってとことん逃げるのも、立派な戦略である

(参考図書 はじめて部下ができた時に読む本 千田琢哉著
 考えてみれば「ビヘイビア」とは習慣である。習慣が人生を創り、その結果の一部として仕事の成果がある。「ビヘイビア」は堅苦しいことではない。挨拶をする、時間を守る、人の嫌がることをしないといった当たり前のことばかりである。リーダーとしてという以前に、人として幸せになるための「ビヘイビア」なのだ。