ボストーク

湊町レター Letter From Minato-machi 2026(令和8)年11⽉1⽇ No.184

今⽉の税務(主なものだけ掲載しています)

  • 所得税予定納税の第2期分の納付(期限:11⽉30⽇)
  • 所得税予定納税の減額申請(期限:11⽉16⽇)
  • 個⼈事業税第2期分の納付(期限:11⽉中の条例の定める⽇)
  • 9⽉決算法⼈の法⼈税・消費税等の確定申告
  • 3⽉決算法⼈の法⼈税・消費税等の中間申告

【キャッシュレス納付について】

申告の電⼦化とキャッシュレス納付の普及が進み、税務署から納付書が送られてくることも少なくなっ
てきました。納付書を利⽤して銀⾏窓⼝で納付する場合は時間もかかります。税⾦の⼝座引落=ダイレ
クト納付という⽅法もありますが、ネットバンキングやコンビニを使って納税することも可能です。納
税を効率的に早く進めたいという場合は事前にお知らせ下さい。


11⽉になりました。年末といえば年末調整?先週末に税務署から書類が送られてきたところも多いと思います。1年間の給与計算の取りまとめですが、役員・従業員1⼈1⼈の⼈⽣が税⾦に反映されます。引越、結婚、離婚、出産、進学など、家族も含めて様々な情報が計算には必要です(医療費控除やふるさと納税は確定申告となります)。住所・⽒名・⽣年⽉⽇も含めて、これらは極めて⾼度な個⼈情報です。

世間ではPHPと⾔われるプログラミング⾔語の脆弱性を巡り、⼤騒ぎとなっています。それは、オンライン上にある個⼈情報がその脆弱性を突いて攻撃してくる可能性があるからです。「うちはHPもないから関係はなしでしょ?」と思われるかもしれませんが、個⼈情報の問題はオンライン上にだけあるのではありません。年末調整や源泉徴収に関する情報が本⼈以外に漏れてしまえば、これは完璧な情報漏洩です。源泉税を管理する事業者には⾮常に重い責任があります。

では、年末調整などやりたくない!と思ってしまいますが、制度上「やらない」という選択肢はありません。所得税法では、給与等を⽀給する者には源泉徴収+年末調整する義務が規定されており、もしそれを⾏わなかった場合には罰則まで⽤意されています(適⽤されることはほとんどありませんが)。納税義務は給料や報酬を払う事業者にあり、もし源泉徴収しないまま⽀払をした場合でも、事業者は源泉所得税を⽀払わなくてはいけません。受け取った⼈が適切に確定申告をしていても関係ありません。

次に気になるのは、負担の問題です。制度上、責任があることは分かりました。しかし、少なからぬ計算と責任のコストは誰が負担しているのでしょうか?そう、事業者⾃⾝です。ここまで⾼度化した情報社会の中で、国内にあるほぼすべての事業者がこのような作業を無償で⾏い、責任を負うことが正しいのか、考えるべき時が来ているように思います。

ではどんな⽅法があるのか?源泉徴収という制度は合理的ですから、⽉々の計算業務は機械的に事業者が⾏なう形で継続し、その後の個⼈情報に関わる年末調整事務を各⾃が確定申告する形に切り替えれば良いのです。実際、海外ではそのような形が多いようです。今までもこのような提案は⾏われていましたが、給与所得者の対象者が6000万⼈いて、この数が税務署に来ると⼤変だったので、国税庁は積極的ではありませんでした。

しかし今ならマイナンバー、e-Tax、スマホとAIがあります。確定申告のやり⽅が分からないという⼈も、これらを活⽤すれば、給与所得者全員が確定申告するのも不可能ではありません。さらに「記⼊済み申告書」という⽅法があり、国が、事前に各⾃の給与収⼊や個⼈情報を事前に取得して作成した申告書案を提⽰します。この場合、計算のコストと秘密保持の責任は国に移転し事業者は少し楽になります。今の国税庁の様⼦を⾒ていると、⽐較的早くそんな時代になるかもしれません。