ボストーク松山藤原塾

秋雨の中で思うこと

はじめに

米中首脳会談のニュースを見ていると、両国の首脳はコートを着ていました。松山はまだ普通に半袖です(今日は少し涼しかったですね)。が、そろそろシャツの上にパーカーを羽織りたくなるかもしれません。

この時期に雨が続くのは主に秋雨前線の影響ですが、このような現象のことを秋の長雨、秋霖(しゅうりん)、秋雨、すすき梅雨と言うそうです。雨が降るのは仕方ないですから、せめて少しでも風流にいたいものです。

今週の愛媛

曾祖父の自伝を読んだことがあります。西予市の宇和町という町で、江戸から明治にかけて起きた出来事がいろいろと書かれています。その中で川に橋を架けたという話があります。それまでにも交通の要所には橋が架かっていましたが、明治になり、あちこちで川に橋を架ける工事がおこなわれていたのだと思います。新しい時代を向けて、地元の人が頑張って橋を架けたのでしょう。はじめは木造でも、その後コンクリートや鉄の橋になっていったはずです。

その橋が今はどうなっているのか。これも高知県の話ですが、人口減少による歳入不足で橋を維持することができず、終活していくそうです。かつて2万人だった人口が2761人にまで落ち込む。財政が限界に達しつつある中で、改修などで現状維持は難しく、撤去してしまうのではなく、住民生活を見ながらその方向性を考える。恐らく、集落に人がいなくなれば、撤去と言うこともあるのでしょうが、そうでもない地域は何とか維持していくということなのでしょう。

愛媛県の環境も基本的には変わらないと思います。少子高齢化の結果進む人口減少で私たちの町はどうなっていくのか。具体的な話があちらこちらに出ています。人口減少が反転して地域にも人が戻るのか、どこかの時期まで今のまま減少が進むのか。それは誰にも分かりません。しかし、今のままでは良いと言えなくなっていることは間違いありません。変化に対してどうするかをしっかり考える時期になってきています。本当に動かない人たちが問題です。

今週考えたこと

国会議員の定数削減のことが話題になっています。今までは現状維持で良いのではないかと思っていたのですが、人口減少のことを考えながら、ちょっと見直したいと思います。

日本の人口は減っています。であるなら国会議員もそれに合わせて増減させるべきです。つまり、人口スライド制です。例えば、過去5年間で日本の人口は309万人減りました。1億2600万人が1億2304万人に減少です。この減少割合は2.4%ですから、現在の衆議院の定数465人の2.4%11人減らせば良いということです。問題は、どこから減らすか?ですが、小選挙区と比例代表のバランスを取りながらということになるでしょう。そして、この減少は継続する必要があります。

この考えで行けば、日本の人口がゼロに近づけば、国会議員もゼロに近づきます。都道府県や市町村の議会も同じように苦労をしているのに、国会議員だけ別というのはおかしいですね。確かに数字は難しいし、調整も間違いなく政治に巻き込まれて大変だと思いますが、やるべきですね。身まで切らなくて良いから、もっとスマートにやってほしいです。

中国についてどう考えるかというのは大きな問題です。政治、外交という局面ではかなり厳しいと言わざるを得ません。課題は経済です。この分野は交流が継続していますし、今や日本経済は中国なしでは成り立たなくなっています。車についても、従来は日本車は車体だけでなく部品も日本メーカーがになっていました。メーカーが海外に行けば、部品メーカーも一緒に海外に行ってきました。しかし、トヨタでもホンダでも日産でも、部品は中国製が普通になってきています。その背景にあるのは中国製部品の価格と技術力です。中国製は安価だが品質が劣るとされてきましたが。最近は技術力も向上しており、日本企業も安閑としていられない状況です。何より、AI技術については、中国は米国と並んで先端企業が続々と誕生しており、自動車に欠かせないAI技術を中国に頼らざるを得ない状況と考えられます。

自動車産業は日本にとって重要な産業と言われてきました。電気自動車(EV)の進展とここにあるような部品産業における中国企業の進化で、産業として危うい段階に来つつあると言えるかもしれません。同じレベルで、自動運転の技術は自動車という概念が大きく変わる可能性があります。乗り物ではあるが、運転不要。車を単独で保有するのではなく共同所有する。公共交通機関の考え方も大きく変わるかもしれません。

しかし、日本企業は安閑としているというよりも、問題が分かっているけど動けないように感じます。同じように、日本の社会が世界的な変化を受け入れていないように思われます。その原因はどこにあるのか。

ある大手企業の方と先日話をしましたが、企業に所属していると思ったことができないと言っていました。それは、面白い企画を出しても通らないということです。つまり、アイデアはある、それを思いつく人もいる、しかし活かせない。なぜか?上司がYESと言わないからです。前例がない、予算がない、リスクが大きい、責任は誰が取る?それはウチの部署の仕事ではない(隣の部がやっている)。否定する理由は山のようにあります。恐らく日本企業と日本社会が前に進まない理由の75%、つまり3/4はこれでしょう。

日本企業と日本社会が前に進む道は簡単に見つかります。新しいアイデア、面白いアイデアに対してYES、やってみろ、責任はオレが取ると言えば良いのです。答えは見えているのですが、それに向けて動けないジレンマが日本の中で充満しているように感じます。

今週のAI

東京大学松尾豊教授が中心となって開催されるAXエバンジェリストというオンライン講座に参加して、AIについての知識を整理しようと思っています。先週から始まりましたが、登録のために簡単なレポートを書かなければいけないという条件が付くのに、参加者が1万名を超えるそうです。それだけAIに対する意識が高いのだと思います。この技術が一過性のものではなく、本当に身につくために私たちがしなければいけないことはたくさんあります。AIに関するいろいろな課題について、台湾のオードリー・タン氏がインタビューに答えています。あまり深く触れませんが、もし日経電子版を購読できる方は、ぜひ読んでみてください。

おわりに

目の前にある仕事をやっておこうと思っていると、別の作業のことを思い出し、シングルタスクのつもりが知らない間にマルチタスクになり混乱してしまうということがあります。思いついたら早くやってしまった方が良いのは分かっているのですが、なかなか理想通りにはいきません。

72時間の法則というのがあります。何かをやるぞ!と思い立ったら、72時間の間にやっておかないと、一生放置されてしまうということなのだそうです。72時間といえば、3日間。三日坊主という言葉もありますね。仮に着手したとしても、72時間でやらなくなっています。ドキュメント72時間という番組の話を以前しましたが、これも72時間。72時間現場でカメラを回して、人と話をすれば、その場所の空気がなんとなくわかるということなのでしょうか。

思い立ったことを忘れないように、リマインダーアプリなどを使って記録しておくという方法もありますが、アプリからお知らせが来たときは忙しくて対応できず、期限が迫って動き出すということもよくあります。私もいろいろなアプリを使ってきましたが、結局アプリの問題ではなく、自分自身の性格の問題だということがやっと分かってきました。今は、サブスクで利用するアプリではなく、iPhoneに付いているリマインダーアプリをシンプルに使っています。

もう少し余裕をもって仕事せーよと怒られそうですが、72時間の法則が機能しないように頑張りたいと思います。


※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。