はじめに
通常ならシルバーウィークもあと2日、皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。少しずつ季節の変化が進んできました。ハイビスカスの花も少し鼻の大きさが小さくなったような気がします。2週間予報を見ると、最高気温もやっと30度を切り、最低気温も20度前後になってきそうです。
税理士にとって今年のこの連休明けは実は緊張の時なのです。国税と地方税の電子申告・納税システムであるe-TaxとeLTAXがこの連休中に改修され、連休明け24日(木)から稼働となります。大がかりな改修ですから、障害が起きる可能性は小さくありません。今月申告の作業で残されているのは24日から7日間です。なんとか無事に送信ができて今月の業務が完了することを祈るだけです。
今週の愛媛
先週、新居浜に行って知人と少し話をしました。新居浜市の出生数は彼が高校生の頃、35年ほど前は2,000人くらいだったのが、今は600人くらいになっていて、この町がこれからどうなるか心配だと言うことでした。将来の人口が3割になるということです。
少し前にメールでこの話に触れましたが、八幡浜市の場合、ピークの1,000人前後から現在は125人と1/10にまで下がっています。これは新居浜市よりも大きな下がり方です。市町村によりかなり差があることが分かります。
ここまで下がってくると、単に少子化対策をどうするかだけではなく、人口減を念頭にどのような対策を打つか?ということが重要です。今の出生している子どもたちが成人するのは20年後ですから、ここ10年の間にどれだけの施策を打てるかが重要です。行政全般、医療介護、教育、交通、生活、災害など幅広い分野について、これから10年程度で検討、具体策に取り組む必要があります。
しかし、シンポジウムなどごく狭い分野での動きは見ますが、私たちが分かるレベルで幅広い検討が行われた形跡はありません。まして政治がそのような検討を行ったようには思えません。税収にしても働き手が減れば給与などにかかる源泉所得税の税収は大きく減少することが予想されます(実は源泉所得税の税収に占める割合は高いのです)。税収が減れば歳出も減ります。財政赤字どうするなんてレベルではありません。どうするのでしょう?人が半分どころじゃなく、1割になる。町が一体どうなるんでしょうか。目に見えて減収が見込まれるのは10年後です。まだ先だからまだ何もしなくて良いのでしょうか?それとも、秘密裏に誰かがどこかで大がかりな議論や研究を進めているのでしょうか。提言などで「少子高齢化社会を見据えて」と書くだけでは、な~んにもなりません。お上のことは頼らず、自分たちの老後のこと、人生の整理のことを1人1人が具体的に考えることがまずできることなのだと思います。
今週考えたこと
世界経済フォーラム(WEF)は9月16日、男女平等の実現度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」の2026年版を発表しました。日本は調査対象となった145カ国中117位でした。高市早苗氏が女性で初めて首相に就任したことで上昇することが期待されましたが、25年からの上昇はわずか1つだけでした。
国や学校の順位付けをする記事はあまり気にしないようにしていましたが、首相が女性になったからといって日本の女性の地位は上がっていないという部分を読んで、妙に納得してしまいました。今の首相は変化を求めた国民の選択ではあると思いますが、女性の社会的地位の高まりの中で首相に就いたわけではありません。本人もそれ=女性の社会進出を支えていこうとしている風には感じられませんし、社会全体の空気もそれほど変わっているとも思えません。これは仮説ですが、日本の国力の低下の要因の一つがこの女性の社会進出なのではないでしょうか。
女性の社会進出を支えるというのは、女性だから待遇を良くするという意味ではありません。男性女性の区別なくその人の実力や努力、成果を適正に評価し、上手に巻き込み、時に支えながら社会を構築していくということです。つまり、男性も同じように評価されることが必要です。欧州は日本よりも女性の社会進出が進んでいる地域ですが、もともと女性の地位が認められていたわけではありません。いろいろな問題を抱えながら、それを解消する努力の中で、女性の首相が普通に誕生できるようになったのです。
もちろん、性の違いによる生理学的な違いはあります。この違いを強く主張して、男の役割、女の役割といわれることもありますが、それはあくまでも生理学的な考え方であり、社会的なものにまでそれを適用するのはおかしいと思います。
実現するのはとても難しいことであることは分かりますが、世の中が変わらなければいけないタイミングである今、この問題を無視することはできないと思います。
今週のAI
AIの弱点は、電力とお金です。AIはテクノロジーによって生まれたものです。テクノロジーといえば、かつてのインターネットやソフトウェアという技術を思い起こすと、人がPCを使ってソフトウェアというプロダクトを開発し、それがヒットすれば儲かるという世界でした。ソフトウェアを利用するためにはPCやスマートフォンが必要で、そのためのコストと少しの電力は必要ですが、今のAI技術と比べればとても小さなものでした。しかし、AIはまったく異なります。AIという技術を維持するためには、データセンターの建築や半導体の製造をはじめとする膨大な開発(建築)コストと維持コストが必要となります。そのコストのためにAI企業の収益力が落ちます。収益力が落ちれば、つまり儲からないのだから株価としての魅力が落ちます。将来的な収益性が見えてくれば、赤字でも魅力はありますが、そのコストが永続的に必要ということであれば話は別です。また、資金が必要ということは、債券市場でも問題となります。他の公社債と比較して選ばれるためには高金利が必要となり、金利上昇につながります。AIバブルとは株価上昇の過熱だけに注目されてきましたが、このような問題から、AIという技術が、金融面で弾けてしまう可能性があるということです。
開発には減速が必要とAI開発者が訴えるのは、単に「暴走」=自律的なサイバー攻撃能力の問題だけでなく、このような問題が起きる可能性があるという指摘でもあるでしょう。米国の一部首脳は無謀にも、AI開発の無条件な進展を闇雲に求めているようですが、イランに展開する米軍に限界があったように、AI開発にも限界があります。
技術的な問題については、中国の存在も無視できません。中国は技術水準で米国を上回るものを目指しています。ここで優位に立てば、世界を圧倒することも可能です。しかし、AIの最先端技術は人間ではカバーできない分野に達しつつあり、大きなリスクになる可能性があります。中国の習近平主席は9月24日に米国のトランプ大統領と会談する予定であり、この問題が取り上げられることは間違いないとされます。しかし同時に、両国がこの問題について具体的な解決策を見いだすことは難しいというのが大方の見解です。答えは2人で話し合って簡単に解決できる問題はありません。
AIという技術は今後消え去ることはないでしょう。自動車、電車、飛行機といった技術は開発当時は批判的に意見も多かったようですが、最終的には社会に定着し生活に不可欠なものとなりました。AIという技術は良いか悪いか、開発は進めるべきかやめるべきかという単純な問題ではありません。人間は未知のものに対して、現状を正確に分析し、将来起きる問題の可能性を想像力を使って探り、具体的な対応策を考えていかなければなりません。今の世界の指導者層にそのような能力があるのかどうか。かつての原子爆弾については、世界の首脳はひじょうに危機感を持って対処しました。今同じことが求められているように感じます。ひじょうに不安ですが、私たちの未来を信じるしかないのかもしれません。
おわりに
昨日、9月21日は敬老の日でした。高齢者とされる65歳以上の人口は9月15日時点で3624万人とされ、3人に1人が高齢者ですから、若い人が老人を敬うのではなく、老人同士がそれなりに元気であったことを確認し合えば良いんじゃないかと思いました。そもそも「敬老」って今の時代に必要なんでしょうか。「敬若」だってあるかもしれないし。
長寿で健康な社会というのは国として重要な政策です。しかし、日本においてそれはすでにほぼ達成されていると思います。社会福祉など老人についても課題は少なからずありますが、より重要なのは少子化問題です。
また、人は生きている限り人権はあり、政治に対する権利もあります。人として尊重されるという意味で年齢は関係ありません。これは若い人も同じです。若い人と老人を対立的に扱うのは間違いだと思います。
もし敬老の日は一方的に高齢者を敬えというならそれは少し違います。高齢化社会の問題を考え、同時に対極にいる若い人の問題も考える日であるべきでしょう。しかもそれは1年に1回だけではなく毎日のことですが。
それにしても、日本は連休が多すぎますね。市場が3日間連続で止まってしまうことが1年に3度もあるという経済的マイナスは小さくないはずです。もちろん、働く人に休みは必要だから休日はあるべきです。繰り返しですが、「働いて働いて」と言うことが良いこととは思えません。課題は有給を申請しづらい(認めない)日本社会の問題であり、個々人の判断を尊重して有休取得が可能となり、同時に人が一時的に不在となっても会社が回る、生産性を低下させない社会の実現を進めるべきでしょう。制度を変えるだけでなく人の意識を変える。とても難しいところですが、実現させる必要があります。
今日9月22日の松山はとても良い天気でした。こんな日はボーッとして、休み明けからしっかり仕事ができる。そんなメリハリが大切だと思います。さあ、24日の新システムがどうなっているでしょうか?気になるなあ。
この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。
