F&Aレポート

「中締め」の目的とタイミング、「ご当地」の手締めもあり

 「中締め」という言葉を調べると、「宴会などで、手締めをして区切りをつけること」と、ありますが、「中締め」=「お開き」ではありません。

 中締めがきっちりできると、進行全体にメリハリをつけることができます。前回の「乾杯挨拶」に続いて、今回は「中締め」についてレポートします。

そもそも「中締め」の目的は?

 「中締め」とは文字通り、「中間地点」で一度区切りをつけることを意味します。従って、正式な「お開き(本締め)」とは異なります。

 早めに退席したい人が「帰りやすいように」といった気遣いから生まれたものです。「中締め」まで参加すれば、主催者に対しても「出席しました」という印象になります。

 また、宴会が終わりに近づいていることを知らせる合図になり、全員が揃っている中で手締めなどを行うことで、ダラダラと続く宴会にけじめをつけることができます。

「中締めの目的」

  • 宴会の終わりが近づいていることのサインになる
  • 退席したい人に、帰りやすいタイミングをつくる
  • 食事や歓談が続く中で、メリハリをつけることができる

「中締め」のタイミング

 「中締め」は宴会の「一区切り」に対して、「本締め」は宴会の終了、すなわち「お開き」です。そのため「中締め」には、次の通りふさわしいタイミングがあります。

  1. 宴会終了時間の約30分前(2時間の宴会なら終了1時間前でも可)
  2. コース料理なら、すべての料理が提供された頃
  3. 電車やバスなどの公共交通機関の時刻に合わせる

「本締め」について

 「本締め」は、「お開き」を意味します。「中締め」は宴会終了の予告、「本締め」は宴会終了ということになります。

 「中締め」と「本締め」の2回をしなければならないというルールはありません。「本締め」だけで十分という場合もあります。

 ただ経験上言えるのは、「挨拶すべき人」でありながら、「出番がない」というケースでは、「中締め挨拶」をお願いすることで、「立てるべく人を立てた」という納得感が得られることもあります。

ご当地の「手締め」

 「中締め」「本締め」には、よく「手締め」が行われます。

  1. 「一丁締め」:「よ〜ぉ、パン」(注「一本締め」とよく間違われます)
  2. 「一本締め」:「パパパン、パパパン、パパパンパン」
  3. 「三本締め」:「パパパン、パパパン、パパパンパン」×3回
  4. 「一つ目上がり」:一本締めのリズムで、人差指一本から打ち鳴らし、指を二本、三本、四本、最後に五本=両手を合わせて打ち鳴らし華やかに終える
  5. 「ご当地締め」:地域特有の手締め。「なも締め」(名古屋)、「博多手一本」、「伊達の一本締め」(宮城)、「大阪締め」「秩父締め」「花笠締め」(山形)など。「郷に入れば」あえて「ご当地」の手締で、一層の一体感が生まれます。