年末はクリスマスに忘年会、年始には賀詞交歓会や新年会など、飲食を伴う会合が多い季節です。宴会の「乾杯」は、カジュアルからフォーマルまでさまざまなシーンがありますが、理想の乾杯挨拶は2分程度。原稿用紙およそ2枚分です。
乾杯は単なる儀式ではなく、空気を変えて、一体感をつくり、場を盛り上げるという目的があります。そのため、挨拶してすぐに「カンパイ!」ではなく、共感できる、ちょっと気が利いた「時の話題」があるといいですね。
さらに、主語は「私」ではなく、「私たち」をあえて使うことで、一体感を醸し出すことができます。素敵な挨拶ができれば、スピーカー(挨拶をした人)に向けられる眼差しも「さすが!」となります。挨拶に慣れた人も、そうでない人も以下のポイントを確認して実践してもらえば、ナイス!な乾杯挨拶になります。
まずは、5つのステップを確認
乾杯挨拶(約2分)
- 挨拶、自己紹介
- 会合の目的を共有
- 時の話題 *ここが一番のキモです!
- 「カンパイ!」の発声
- 乾杯後は「ありがとうございました」と一礼
1.挨拶、自己紹介
- 「おつかれさまです」「いつもありがとうございます」などの挨拶の言葉
- 「総務部の木村です」「幹事の田中です」など、軽く自己紹介
2.会合の目的を共有
- 「今日は忘年会ということでお集まりいただきありがとうございます」
- 「新年を祝い、私たちの親睦を深めましょう」
3.時の話題=「身近な景気」のハナシ
実際、この部分がなくても乾杯挨拶はできます。しかし、挨拶からいきなり「カンパイ!」では盛り上がりに欠けます。では、「時の話題」はなにかというと、「時事ニュース」です。 高尚なものではありません。「身近な景気」が良いのです。たとえば、以下の通りです。
- 「ところで、コンビニのコーヒーは、今いくらかご存知ですか?昔は100円、今は140円です」
- 「今年は米が話題になりました。古米や古古米というのがありましたが、今でもお米は5kgが5,000円程度。そして年末になって『お米券』をどうするか議論されています」
- そのほか、卵やガソリン、公共交通機関の運賃など。多くの人が肌で感じている景気を挙げて、暗く終わるのではなく、「○○に期待しましょう」のように明るくまとめます。
- 新年なら干支の話が新鮮です
4.「カンパイ!」の発声
- 「私たち(皆さん)の益々の健康と、我が社の発展を祈って」
- 「2026年午年。大いにうま(馬)くいく年であるよう祈って」
- 「カンパイ!」
- 乾杯の発声前に、グラスの準備をするよう促しましょう。全員が起立して準備が整ったことを目で確認してから発声をします。タイミングがとても大事。
乾杯後は「ありがとうございました」と一礼
乾杯の発声のあとに、グラスに口をつけて、「ありがとうございました」と一礼して、席に戻ります。たとえ、突然の指名であっても、「突然のご指名なので」という言い訳はせず、スマートにお役目をこなしたいものです。
