- 昨年11月、箱根神社に参拝した折、御朱印をいただくために長蛇の列に並びました。平日にも関わらず30人ぐらいは並んでいたと思います。普段は巷の人気店に並ぶ行列を冷ややかに見る私も、このときばかりは、いそいそと並びました。順番を待つ時間さえ、何かしらありがたい感覚があるのも、おかしなものです。これも神様のパワーなのかもしれないと一人苦笑。
- 驚いたのは、その長蛇の列のところどころに海外の観光客がいたことです。どこで入手したのか、彼らはちゃんと御朱印帳を持って並んでいました。宗教に国境はない!信仰心というものは人類共通なのだ!と、思ったのも束の間、案外彼らにとっては「スタンプラリー」のノリなのかもしれないと思ったり……。人間観察をしているうちに私の番がきて、うやうやしく御朱印帳を出し、参拝の証として御朱印を授かりました。
- 前回の「一の宮」につづき、今回は「御朱印」についてレポートします。参考[ノジュール JTBパブリッシング]
そもそも「御朱印」とは
ここのところ、若い女性たちにも静かなブームになっている「御朱印集め」ですが、そもそも「御朱印」とは何なのか。まずは、ウィキペディアからご紹介したいと思います。
<朱印>主に日本の神社や寺院において、主に参拝者向けに押印される印章、およびその印影。敬称として御朱印(ごしゅいん)とも呼ばれる。
<その歴史と意義>元々、法華経において全国六十六箇所の社寺に納経したした時、証明書として発行されたのが始まりで、その起源は平安時代にさかのぼる。現代では朱印は納経とは関わりなく参拝の証明となっている。社寺名や神仏名のほか、参拝日や「参拝」などの文字が書かれることも多く、一般的にはその墨書も含めて「朱印」と呼ばれる。
朱印はひとつとは限らず複数扱う社寺もある。また年中行事や秘仏のご開帳など、期間限定で特別な朱印にすることもある。近年では金泥、銀泥を使ったり、カラフルな和紙を使い切り絵にしたりなど、従来とは異なる朱印も増えている。
一の宮巡りの「御朱印」
御朱印は参拝に訪れた神社の社務所や授与所などで授かることができます。
一の宮の神社の中には、奥宮や本宮が山上にあり、登拝(登山)が必要な場合がありますが、たいていは山麓の神社などで御朱印を授かることができます。登拝する場合は、あらかじめ山開きの時期などを確認しておきたいところです。
御朱印の集め方は自由ですが、一の宮にこだわる人は一の宮巡り専用の御朱印帳を用意しておき、持参して墨書と押印をいただくのがおすすめです。
一の宮神社には、「全国一の宮御朱印帳」を置いているところもあります。また、一の宮巡拝会では、墨書に優れた和紙を使った専用の御朱印帳を販売しています。石州紙の和紙を使用したり、薄く軽量な手漉きの斐伊川和紙を使った御朱印帳もあり予約制で販売されています。
参拝後に御朱印をいただく
御朱印をいただくのは、参拝の後が本来の形ですが、神社によっては混雑を回避するために参拝前に御朱印の授与をすすめるところもあります。当然、受付時間外に、御朱印の授与をお願いするのはマナー違反となります。
神社によっては、御朱印の種類が増え、カラフルな特別御朱印が期間限定で授与されるようになりました。参拝の記念にはいいのですが、一の宮巡りにこだわる人は、その神社の本来の御朱印を受けることを忘れないようにしたいものです。「一の宮の御朱印を」と、伝えると良いでしょう。
無事に御朱印をいただき参拝をしたら、参道を戻り、帰途も鳥居のところで会釈をして、参拝を終えます。
一の宮など、歴史的に古い神社の社家は、それぞれの御祭神を奉斎して、世のため人々のため、お参りを絶やすことなく、昼夜を分かたず神社を護持して千年、二千年と営々として今日に至っている名門ともいえます。素直に敬意を払い、感謝して参拝をしたいものです。
ちなみに、一の宮巡拝を完拝したら
諸国102社、108カ所を完拝した人を祝福する完拝証状と、巡拝成就記念御守携帯ゴールドカードが、一の宮巡拝会より希望者に特別頒布されます。