「質問の仕方」と、その「答え方」には人柄が表れます。このたびの都知事選で、一躍時の人になった石丸氏を見ていると、あらためてそう感じます。
採用面接においても同様、やはりお互いの人柄やコミュニケーション力が表れます。ただ、ありきたりの質問では、ありきたりの答えが返ってくるだけで「本音」は見抜けません。
大手企業とちがい、知名度のない中小零細企業の採用においては、採用段階において、より自社への理解を深め、興味を持ってもらうという努力が必要不可欠なのだろうと思われます。そういう意味では、面接官の人柄やコミュニケーション力は、自社のイメージに影響します。
採用活動は「社運がかかっている」といっても過言ではないでしょう。今回は、採用面接での効果的な聞き方についてレポートします。(参考:ダイヤモンドオンライン)
質問:「当社についてご存知のことを、すべて話してみてください」
志望理由を聞くのは、おきまりのパターンといえます。敵もさるもの、それなりの回答を準備しています。漠然と「当社の志望理由を教えてください」という質問には、どこの会社でも通用しそうな凡庸な答えが返ってくるだけでしょう。
「当社について、知っていることをすべて話してみてください」という質問で、とめどなく自社の情報が出てくるのか、表面的な回答に収まるのかによって、志望の熱量を測ることができます。また、面接という重要なステージにあたり、事前にどのぐらい企業研究をしているかという、ダンドリの習慣も垣間見えます。
「ここで働いてみたい」という意欲は、面接や説明会などで実際に働く社員から話を聞くなど、双方のコミュニケーションを通して熟成していくものです。
回答の程度によっては、面接を早めに切り上げることも考えられるかもしれません。
質問:「働く上で、重視するポイントを3つ挙げてください。 たとえば、ワークライフバランスとか、給与などの処遇とか」
「時間とお金をかけて採用しても、すぐに辞めてしまう」と、お嘆きの声を耳にします。すぐ辞めるかどうかは、面接時には本人だってわからないことかもしれませんが、その傾向があるかどうかは、質問の仕方によってある程度把握できます。
「あなたは、すぐ辞めますか?」と聞いて「はい」と答える人はいません。たいていは「御社で長く働きたいと思っています」と、マニュアル通りの回答が返ってきます。
「働く上でのポイント」と言っても、すぐには回答しづらいので、「たとえば」と、こちらから例を示しておきます。
残業が多い職場で、「ワークライフバランス重視」といった回答であれば、相容れない可能性があります。「やりがい」「自己成長」という漠然とした回答なら、さらに尋ねてみましょう。
質問:「あなたにとって『やりがい』(自己成長)とは何ですか?」
「自分がやりたいことができる」が「やりがい」であるとしたら、その「やりたいこと」を聞き、入社直後からその「やりたいこと」を提供できるのかということが、自社に合うかどうかの判断材料になります。
質問:「あなたにとって仕事とは?」
これはコミュニケーション力を見抜く質問です。どんな業種、職場であっても、コミュニケーション力は最も重要なスキルのひとつです。以下の質問で、ある程度は測れるものではないでしょうか。
- 「あなたにとって仕事とは?」
事前に準備できない質問なので、即応性を見ることができます。 - 「仕事をする上で、苦手なタイプはどんな人ですか?」
それとどう向き合うのか質問して、ミュニケーション力を感じ取ることができます。 - 「あなたは周りからどのように言われることが多いですか?」
周囲とコミュニケーションがとれている人は、自分の評価を把握できています。