先週末11月2日の大雨に続き、11月9日は四国地方で36万戸近くが停電する事態が発生しました。
発生の原因は、他の電力会社との電力供給をし合う送電線の事故復旧中に本州向けの送電が急増し、四国に供給する電源が不足したためということのようです。
その根本原因=本州向けの急増については、まだ調査中とのことです。
つまり、送電線が倒れたとか、電力需要が供給を上回ったといった簡単なことではなさそうです。
四国の人たちは2週続けて生きることのリスクを考える事態となりました。
突然停電になったらどうするか?ということも、生きるために考えておくべきテーマの一つでしょう。
今、日本の国会では、「103万円の壁」について議論されています。
基本的にこれは所得税の世界の話なのですが、基礎控除48万円と給与所得控除65万円を足すと103万円になる。これを超えると所得税が発生する。
扶養控除について、例えば子どもがアルバイトをしていて、収入が103万円を超えると扶養控除を受けられなくなる、という問題があるわけです。
毎年夏になると、税務署から「扶養控除の是正通知」という書類が届きます。
何を是正するかと言えば、前年の年末調整で、大学生の子どもを扶養にしていたが、アルバイトを頑張りすぎて103万円を超えたから扶養控除できないので、追加の源泉所得税を払ってねと言う督促です。
このようなケースが、「103万円の壁」に当たります。
配偶者も基本は同じですが、こちらは配偶者特別控除という別枠の制度があり複雑なのでここでは省略します。
また、社会保険では、扶養控除の基準となる「130万円の壁」もあります(106万円の壁もありますが省略)。
これらの「壁」について、103万円で働くことをやめるようなことがないように、壁を上げていこうというのが国民民主党の主張なのです。
党首の玉木雄一郎氏は、当時の大蔵省の官僚ですから、税務については精通していて、この議論を与党に対してふっかけているわけです。
どさくさ紛れに?、厚生労働省は、社会保険加入の基準である130万円という金額基準を取り払い、労働時間だけを基準にしようとしています。
1週間で20時間以上働く人はほぼ例外なく厚生年金と社会保険加入という方針です。
所得税(住民税)はいろいろな控除があり、それを超えないと税金は発生しませんが、社会保険は少額でも本人と会社でそれぞれ15%、併せて30%の負担が発生し、それは決して小さくありません。
収入が少額の人には、所得税はなくなったけど、社会保険料が発生したり増えたりという状態も起きてきそうです。
また、総務省からの意見にもあるように、地方税収が不足する事態も想定されています。
個人の税金が減る=税収が減る=財政資金が足りなくなるというのは、当たり前のことです。
様々な分野の課題をどのように解決していくのか、これからの議論の行方が注目されます。
ところで、このような議論が起きるのは、自民公明両党による与党体制が、衆議院で少数派となったためです。
野党も単独では多数派となれず、乱立状態になっているので、以前書いたような与党としても、野党の主張を一部受け入れつつ、政策を前に進めるしかない状態になっているということです。
ここで米国大統領選挙のことを考えます。
結果は皆さんご存じの通り、共和党のトランプが当選し、米国大統領としては132年ぶりと言われる返り咲きを果たしました。
この背景については、藤原先生のワールドレポートにたくさん書かれていますのでそちらをご覧いただきたいと思います。
11月14日のオンライン松山藤原塾でも恐らくこの話が主要テーマの一つになると思います。
興味のある方、覗いてみようかなと思う方はお気軽にお客様専用お問い合わせよりお送りください。
冷静に選挙結果を見ると、今の米国民の不満を上手にトランプがうまく吸い上げたという側面と、ハリスを推した民主党は米国民の不満を受け止められなかったという側面もあるのではないかと思います。
トランプの政策に対する具体的な課題の検証については、これから少しずつ追いかけていきたいと思います。
大統領選挙を通じて、米国民の選択肢は二者択一、共和党か?民主党か?、トランプか?ハリスか?でした。
日本の総選挙では、様々な政党に対する選択でした。
その結果、与野党伯仲の状態が生まれ、103万円の壁問題が議論されています。
かつて、与野党乱立で「決まらない政治」と言われていました。
また、米国や英国のような二大政党制を目指せを言われたこともありました。
しかし、米国のハードでタフな闘い(選挙とは到底言えない格闘技のような選挙)をみると、なんか日本は幸せで平和だと思うのです。
世界に対する国の影響力を考えれば、米国と日本では比べものにならないというのもありますし、意見乱立で本当に決まらないのはまずいので、日本の政治家の皆さんには、リーダーシップをしっかり発揮していただきたいと思うのです。
また、これからの米国がどうなっていくのか、米国ではなく日本の視点で見ていくことは大切だと思います。
2つの国の選挙を見比べてみることはとても勉強になりました。
2024(令和6)年11月14日(木) オンライン松山藤原塾を下記の要領で開催します。
第1部 時局解説 17時30分~19時
第2部 第1部をベースにした意見交換 19時15分~20時30分
参加の連絡をいただいた方には、参加費の振込口座と当日のURLをお送りしますので、参加費の振り込みをお願いします(振込手数料は各自ご負担ください)。
開催は、zoomを使ったオンラインでの開催です。
参加者は顔出し、発言が可能です(どちらも任意です)。
zoomの使い方等について不安のある方はお知らせ下さい。
なお、今回から、アーカイブ(録画)だけの参加も可能となりました(当日参加申込された方はアーカイブは視聴可能です)。
藤原塾終了後、アーカイブのURLをご案内いたします。
参加を希望される方は、参加するコースを下記から選択し、お客様専用お問い合わせよりお送りください。
1.第1部
2.第1部+第2部
3.アーカイブのみ
参加費
1部のみ 4,000円
1部2部両方 5,000円
アーカイブのみ 4,000円
※領収書が必要な方はその旨お知らせ下さい(インボイスにはなりませんのでご了承ください)。
第2部について 金融、経済、政治、教育、テクノロジー、会社経営、起業、地方の活性化、老後の暮らし方、移住等、日々考えていること、疑問などありましたら、ぜひお客様専用お問い合わせよりお送りください。
ぜひご意見、ご質問などお寄せください。
日本では総選挙、米国では大統領選挙直後の藤原塾開催です。
これから日本、世界がどのようになっていくのか、藤原先生と参加した皆さんで考えていきたいと思います。
では、皆さまのご参加をお待ちしています。