あなたのストレス点数は何点?「メンタル系企業研修」の要望、急上昇中!!
企業研修を行うときに、「今後、どんな講座を受講したいですか?」というアンケートを取るようにしていますが、最近圧倒的に多いのが「メンタル系」の研修の希望です。
「メンタルヘルス」「アンガーマネジメント」(怒りやイライラの対策)「アサーション」(自他共に心地よいコミュニケーション)「ストレス対処へのアプローチ」など、若い人からベテランまで男女関係なく、約8割の人が「心の健康」についての講座にチェックを入れています。
これはコロナ前には見られなかった現象です。以前もメンタル系の研修を希望する人は一定数いましたが、ここまで高い割合ではなく、せいぜい全体の3~4割程度にとどまっていました。
コロナによる世界同時多発的な社会の変化、働き方や価値観の多様化、そこに加えて戦争、災害など。たとえ直接自分の身にはふりかかっていないことでも、私たちのストレスの原因(ストレッサー)になっています。
今回は最近の講座プログラムから、ストレスについてレポートします。
1、「ストレス」と「ストレッサー」(ストレス要因)
「ストレッサー」とはストレス要因のことです。何がストレッサーになるかは人それぞれですが、ストレスは精神的、心理的なものだけでなく、暑さや寒さ、騒音といった物理的な環境刺激もストレッサーになります。
また、さまざまなライフイベントがストレッサーになることもあります。「配偶者の死」「会社の倒産」「離婚」「自分の病気や怪我」「借金」「人間関係」などは、ストレスの度合いが最も大きいものとして挙げられます。
少し意外なところでは「昇進」「結婚」「妊娠」など、通常は「嬉しいこと」「おめでたいこと」とされている出来事もストレッサーになることがあります。
さらに、生活習慣のちがいでちょっとした諍いが起きる(黙って我慢する)など、一回一回は小さなことでも長い年月の中で積み重なると、大きなストレッサーになっていることもあります。
2、セルフケア~「ストレス耐性」を高めるために
「ストレス耐性」とは、ストレスに耐える強さのことを言います。ストレスに対してどのぐらい適応し、対処できるか、どの程度耐えられるかといったレベルのことを指し、「ストレス耐性が高い、低い」といった表現をします。ストレス耐性については、一般的には主に以下のような特徴のある人が、ストレス耐性が高い・低い傾向にあると言われていますが、ストレス耐性が高い特徴のある人でもうつ病になることはあります。
ストレス耐性が「低い」人の特徴
責任感が強い/協調性が高い/おとなしい
ストレス耐性が「高い」人の特徴
ポジティブ/楽観的/マイペース
セルフケアとは、メンタルヘルス一次予防の概念でもありますが、次の3つを行うことがストレス耐性を高めることにつながります。
(1)体と心の健康管理
良質な睡眠がとれていますか?良質な睡眠とは「寝つきが良い」「ぐっすり眠る(途中で目が覚めない)」「寝起きがすっきりしている」ことです。食事、睡眠、運動のバランスをとり、生活を改善していきましょう。
(2)ストレスへの気づきと、対処
誰にも遠慮せず威張っている人でもうつ病になることはあります。また、ストレスを感じていない人でも、気づいていない(気づきたくない)だけで、実際は相当なストレスになっていることもあります。まずは、自分のストレスに気づき、ストレスと向き合うことが問題解決の糸口になります。
(3)仕事や職務に対する行動管理
時間管理、問題解決、目標達成、コミュニケーションなど、仕事を上手に進めるためのスキルの向上を図ることは、自己効力感を向上させストレス耐性を高める一助になります。