「気品」と「品格」
昨今はなんでも男女平等です。「男性のくせにだらしない。女性はもの静かであるべき」などと公言しようものなら、即ざま「ジェンダー・ハラスメント!」と、言われかねません。周知の通り、ジェンダー・ハラスメントとは性差による差別です。
男女の差はなく、万人平等であるという考え方そのものは素晴らしく、私たちが他者と関わる上で尊重すべき重要な概念ですが、同時に「気品」や「品格」も失ってはならない重要なものではないでしょうか。
先日、会社帰りにバスを待っていたときのこと。ちょうどラッシュアワーで、バス停には大勢の人が溢れていました。そこへ一台のバスが到着。我れ先にと、乗り口に駆け寄る姿。周りの人のことはおかまいなしで、押し合いながら乗り合う姿は、品性のかけらもない様子でした。中でも、周囲の年配者に一歩譲るとか、子供や女性に気遣うという様子もなく、我が一番に乗り込もうとする中年の男性には幻滅してしまいました。
「男女平等なんだから関係ないでしょう」と、言われればそれまでです。年配者をいたわることもなくドヤドヤと踏み込んでも法に触れるわけではありません。しかし、「品格」は問われます。
「品」は、人の口を三つ合わせた形から成っています。ひいては「人柄」を意味します。「格」は、木がまっすぐ高く立つことを示し、「地位、身分」「流儀、法則」などの意味があります。ゆえに「品格」とは、自分本位ではなく、清らかな心でまっすぐ、心持ちが高いことを指します。相手の行動や発言、表情から、品格がある、ないという印象を持ってしまうのは、その人の心持ちが表れてしまっているからでしょう。
さらに「気品」とは、気位の意味です。品格を保とうとする気持ちが、気品であり、気位です。つまり、「気品」がなければ、「品格」も存在しません。自己中心的な発想や立ち居振る舞いは品格に欠けます。
自他ともに心地よく過ごすために、平等の権利と同様に「品格」も備えたいものですね。