ビジネスマナー研修:最近男子の身だしなみ
1、フレッシャーズシーズン
「メラビアンの法則」によると、第一印象の決め手となる要因と比率は下記の通りです。
視覚情報 55% (服装・髪型・メイクなどの身だしなみ、態度、表情、しぐさなど)
聴覚情報 38% (声の大きさやトーン、話し方、滑舌、ことばづかい)
言語情報 7% (情報、話の内容そのもの)
「視覚情報」、すなわち目から入る情報に私たちの印象は左右されやすいものなのです。また、視覚情報の中でも「身だしなみ」は心の表れでもあります。逆に「身だしなみ」を整えることで、心を整える効果もあります。ビジネスマナー研修の「身だしなみ」で、最近感じるのは、おしなべて男子がオシャレになったということです。昔に比べて、オシャレに気を遣う人が増えています。ただ、その「オシャレ」と「身だしなみ」は明確に違います。「オシャレ」なのに「身だしなみ」は×という人もいます。
2、「オシャレ」と「身だしなみ」のちがい
「オシャレと身だしなみの違いはなんでしょうか?」と聞くと、たいてい「身だしなみは清潔感、オシャレは自由」というような回答が返ってきます。なんとなく分かるけど、はっきりと違いを言い表せない人がほとんどです。
「オシャレ」は自分の好みや個性の表現としての装いです。「身だしなみ」は、他人に不快感を与えない装いです。基準になる目が180度違うのです。「オシャレ」は自分の目、「身だしなみ」は「他人の目」が基準です。身だしなみを評価するのは常に他人なのです。
3、くるぶしソックス、腕時計、長めの髪
(1) くるぶしソックス
最近の男子(20代?30代ぐらいの男性)に見られるのは、スーツを着ていながらくるぶしソックスを履いているスタイルです。イスに腰掛けたり足を組んだりしたときに、足首やすね毛が見えてしまいます。すね毛はNGです。英国で男性は、足を組んだときもすね毛が見えないようにという配慮から、膝下まであるハイソックスを履きます。
くるぶしソックスはカジュアルシーンで生きるもの、ビジネスの場にはふさわしくありません。まして、スーツを着るときには論外です。スーツの際は、黒、紺、グレー。靴と同じ色にするとすっきり見えます。
(2) 腕時計をしない男子
ある企業の新入社員研修では、腕時計をしている男子は1割だけでした。なぜ腕時計をしないのかと聞くと、「スマホがあるから」と答えました。「そもそも腕時計を持っていない」と答えた人もいました。学生時代から携帯電話やスマホで時間を見ているので、腕時計をする習慣がないのだそうです。
腕時計をしていないこと事体が、身だしなみに影響することは少ないのですが、打ち合わせや会議の際に、携帯やスマホをチラチラ見る行為は不信感を与えます。やはり社会人として腕時計は必須ではないでしょうか。
(3) 長めの髪
最近の傾向として、前髪が長い男子が増えています。目に入りそうなぐらい長い前髪の人もいます。芸能人や流行の影響も多分にあるのでしょうが、ビジネスにおいては、おでこを出す髪型の方が、明るく社交的な印象になります。髪がおでこを隠していると顔が影になり暗い印象になってしまいます。長めの前髪は、顔にかからないように髪を分ける、額を出してスプレーで固めるなど工夫をしましょう。もみあげや耳周りもすっきりさせた方がさわやかな印象になります。坊主などの極度に短い髪は威圧感を与えます。極端なツーブロックなどは避けた方が無難です。印象はそのまま仕事の成果につながることもあります。性別、世代を問わず好印象を与えたいですね。