知的日本語トレーニング12 ~読めるか早口ことば
あるパーティに行って司会者が「ご着席ください」と言ったのが、「お茶漬け下さい」と聞こえて笑いをこらえるのに苦労したことがあります。他にも「ありがとうございます」が「あざーす」になったり、「おめでとうございます」が「おめぇとうざぁす」になったり。
滑舌の善し悪しは、口の開け方で決まります。(特に縦に口を開けることが重要です)
口が開いていないと、舌の動きは悪くなります。頬の筋肉や、舌の付け根の筋肉が麻痺した状態です。筋トレと同じで、トレーニングさえすれば、誰でも何歳からでも滑舌は良くなるのです。以下の文章は、早口ことばの滑舌トレーニングです。はっきり声に出して読んでみましょう。
1青なっぱ、赤なっぱ、赤なっぱ、青なっぱ
「あーなっぱ」にならないように発音しましょう
2お綾や親におあやまり。お綾や八百屋におあやまりとおいい
「おやや」「おややまり」といった発音にならないように注意
3いちり、にり、しちり、いちにちに、ぎりぎり、しちり、いった
口を横に開いて「い、ち、り」舌の動きで、音の変化をつけます
4しんしんぎいん、いいんにしんにん、いちいちきびんにぎじをしんぎ
「ん」と「を」以外は、すべて「イ行の音」。「し」の音はしっかり摩擦させます
5あの映画はいい映画だ、絵のきれいないい映画だ
「えいが」ではなく、「えーが」と口の奥の力を抜いて発音します。
7巣鴨駒込駒込巣鴨、親鴨子鴨大鴨小鴨
すがも/こまごめ/こまごめ/すがも リズミカルに!
8農商務省特許局日本銀行国庫局
とっきょきょく、こっこきょく。口をあけて丁寧に発音します
9となりの客はよく柿食う客だ、客が柿食や飛脚が柿食う、飛脚が柿食や客が柿食う、客も飛脚も柿食う客飛脚
「かき」「きゃく」「ひきゃく」違いをはっきりさせましょう
10この竹垣に竹立てかけたのは、竹たてかけたかったから、竹たてかけたのです
「たけ、たてかけた」一音ずつ口の開きを確認しましょう
11私の娘を茶筅に結わせお茶たてさせたさも立てさせたしご奉公致させたさもいたさせたし
「お茶/たてさせたさも」切るような切らないような=「切り切らず」の発音です
12へりふみゃれ、へりふみゃれ、おへりふみゃれ、おへへりふみゃれ
ハ行の音は、息が抜けて音になりにくいのです。腹筋を使って発声しましょう
13弥生の宵、お湯屋へ寄った居合い屋さん。やいやい言われて、湯屋でいやいや居合いをやる
「いあいやさん」が「いやいやさん」にならないように
14お綾はいやいや八百屋の親を負い、八百屋はいやいやお綾の親を負い
「おあや」「いやいや」「やおや」ヤ行の訓練です
15すりならうろうろ、きょろきょろするから、すぐわかるからすられるな
ラ行音が「ダ行」音にならないように舌先の動きに注意
16虎をとるなら、虎をとるより鳥をとり、鳥をおとりに虎をとれ
「とら」「とる」「とり」など、音の違いに注意
17権利濫用で、吏員が離職。官吏の乱脈な利権濫用ぞろぞろ露見
「り」の舌の動き、口の横の開きを丁寧に
18わらなわでは、わなにはよわいわい。岩をゆわえるなわは、わらなわではよわいわよ
「なわ」が「なあ」にならないように。