口頭での指示、命令は一度に多くを伝えない
<記憶に残るのは、最大3つまで>
スピーチやプレゼンなどで、ポイントをまとめて伝えるときには「3つ」までに絞るという原則があります。それは、「聴き手の記憶に残らない」からです。文章に書いたものを渡すのならいいのですが、口頭だけで伝えるとなると、一度に多くのことを言うと混乱してしまい逆に印象が薄れてしまうのです。
あれもこれも伝えるというより、ポイントを絞り、さらに強弱をつける(優先順位をつける)などの工夫をすると、聴き手は理解しやすくなります。
<一時一事の原則>
一時一事(いちじ、ひとつごと)という言葉の通り、いろいろ考えても、そのときに選択出来る事はひとつだけです。
ある球団の話で、こんな例があります。打撃コーチが、打席に入ろうとする選手を呼び止めてこう言いました。「あの投手は調子がいいぞ、気をつけていけ。ストレートは走っているし、カーブも切れている。いいか、気をつけろ、追い込まれるとフォークボールもあるからな」。実際にあった話だそうです。これでは、選手がたとえ「ストレートを狙おう」と決めていても、迷ってしまってどうしようもありません。首脳陣が考えたことをすべて選手に伝えては混乱を招くだけです。これは並列列挙の悪い例です。
注意事項を口頭で伝える場合、あれもこれもと欲張っても、二兎を追うものは一兎も得ずでうまくいきません。
指示内容にこれだけはなんとしても絶対やってほしいというものと、できればやってほしいというものがあれば、それを分けて伝えると指示が徹底することがあります。
物事を一挙に実現しようとしても無理なこともあります。仕事上の指示を口頭で伝える場合は「一時一事」の心がけも必要ですね。